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屑+細+没
X砕けて戻らぬ
あれからデンバットは何時でもふてくされた面をしていて、笑う事が少なくなった。
はしゃいだ態度なども滅法見なくなった。つまらなそうに黙り込む姿。
「シャーマンファイトも終わったのに、何を気に病む事がある」
そう聞いたら、
「何か問題でも?」
笑いやがった。

「夢がな、見れねぇ」
「夢?」
「笑えるだろ」
言っている意味が解らないから俺には笑えようが無いのだが、デンバットは可笑しそうに口だけでからから笑った。
「最近さ、暗い中で掴まれるんだ。足首に何かが絡んだと思ったら次は腕。脚。胴から首、口も鼻も目も耳も全部塞がれる」
「…」
「んで最後は何で死ぬんかなあ。窒息だろうか圧死かな」
「それは」
隅に縁取られた友人の濁った瞳は空を仰いでいる。
「そんな夢ばっかだ。毎晩毎晩毎晩毎晩まいばん」
俺は何も言う事が出来ない。
「見れてた頃あったんだぜ?空から光が射してさあ」
天使様が、手を差し伸べてくれんの。

背筋を走る悪寒。嫌悪感。こいつはまだ、俺達が乗り越えた筈のそれに、
壁一枚隔てた過去への嫌悪。愚者を見下ろす視点への固定。

「今更希望なんて見える訳無かった」

こいつは今まで誰と話していたのだろう。
助けてやれる天使の役割は、俺にはとても。


突き放す無理解

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あきゅろす。
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