2011 してやったり 次の時間って何?確か…古典だった気がする。うわ、教科書忘れたわ。どうすんの?借りてくる。ですよねー。 目の前の2人が会話しているのを聞いて、次が古典なんだと気付いた。 時間割を覚えてないというより、寝てたわけです。おはようございます。 ふわーあ、と手で口を隠して大きなあくびをした瞬間、隣の席の住人が帰ってきた。 「でかいあくびだな。」 「でしょ?」 そしてまたあくびを1つ。 だって眠いんだもん、しょうがない。 人間、食欲性欲睡眠欲ってね。 まぁ仮にも泉の隣なわけですし、比較的女の子らしくするようにはしてますけど。 彼の隣は大変だ。 なるべく机や鞄を綺麗に保って、身だしなみだって普段以上に気を使うんだから。 まぁあくびは不可抗力ってことで。 「…つかさ」 くるっとこちらを向き直り、口を開いた泉。 「お前、俺の前だけじゃなくってもっと気をつけろよ」 「はい?」 「お前、俺が好きだから俺の前で気使ってんじゃねえの?」 あら。ばれてた。 泉に気付かれるなんてちょっと予想外だなぁ。 「で、どうなわけ?」 ちょっと勝ち誇ったような顔でこちらを向く泉がなんか腹立たしかった。(いや、そこもかっこいいんだけれども) だから一言、こう返してあげましょう 「それに気付いた泉こそ、私のこと好きなんじゃないの?」 してやったり 「は、はあ!?!?」 大声でそう言って立ち上がった彼を見てみたら、耳まで真っ赤になってました。 「これからよろしくね?」 勝ち誇った顔で笑う私に、悔しそうに、でも嬉しそうに笑う泉がとても素敵。 そんなとある水曜日。 [*前へ] [戻る] |