復活
1
君はどうして僕について来たのですか…?
こんな事になるなど…
予想していたはずでしょうに……。
悲しくも現実です。
僕は玩具だと…
只の道具だと思っていたのに…。
君と触れ合った事で…
あり得ない感情が芽生えました…。
あぁ…何て愛しい…
何故…君は…僕に忠誠を誓う…
「僕は…君が…」
「骸様…私は骸様の道具なだけで………他には何も望みません」
「グレコ……貴方は…」
「骸様にお会いできて、本当に良かった」
最後の言葉の様に投げ掛ける言葉。
骸の顔は悲しそうに歪む。
このグレコと呼ばれている少年は、今はレオナルドと言う名前で、ミルフィオーレに潜入していた。
白蘭の元で働く伝達係りでもあった。
しかし、それはあたかも悟られぬ様にとしていたのに、レオナルドは白蘭にバレてしまい、今精神世界の中で主である骸と会話をしていた。
そう骸は白蘭との戦いで負けてしまい、その反動でかこちらに来てしまったのだ。
もうじきレオナルドは居なくなる存在…。
そんな事は解っている骸だったが、いつの間にか骸はレオナルドに好意を持ち出した。
もちろんレオナルドも満更ではないのだが、それでも骸は主であって恋愛の対象にしてはいけないと、勝手ながも思っていた。
「グレコ…もう貴方の世界は…」
「解っています…フフ、大丈夫です、骸様なら…きっと…」
「僕は貴方が好きなんです!
死んだりなんかしません!
殺さない!」
「ありがとうございます……それでも……ダメです…骸様…」
グレコ…レオナルドは悲しそうに微笑んで骸を見た。
骸は最後の最後に自分の気持ちをぶつけた。
しかしレオナルドは言えずにいた。
言ってしまえば楽なはずなのに、それが許されるのなら言いたいのに。
今言えば消えたくなくなる。
そう思っていた。
骸の気持ちに答えたいのに答える事が出来なかった。
[]
無料HPエムペ!