復活
1
今も・・・
覚えてます・・・。
あの日の事を…
二人で笑って…
泣いて…
戦って…
でも…俺は貴方には一度だって…
勝てた事がありませんでしたよね…。
ボスになってからも…
思うんですよ…。
何で今も…
貴方の背中を見ているのか…。
もう終わったはずの…
大切な恋…なのに…
もう新しい道に進んでいるのに…
貴方に逢う度に…
揺れるんです…。
俺の心は…
いけませんよね…
迷惑ですよね…。
ごめんなさい…
ごめんなさい、本当に…。
「十代目ー!」
「何、獄寺君…」
「今日はまたいつもの所に行きませんか?」
「ん…そだね、いこっか。」
――トントンッ…
雲「入るよ…」
「あっ、雲雀さん…」
「何だよ。」
雲「何も。只報告書を綱吉に渡しに来ただけ。」
「まぁまぁ、獄寺君押さえてよ。
えっと…ありがとうございました」
雲「別に、じゃ、僕は行くから」
「あっ」
雲「何、綱吉」
「いえ……」
雲「何もないなら呼ばないでよ。」
冷たく言い放つと雲雀は部屋を出て行く。
綱吉の後ろでダイナマイトを今すぐ取り出そうとしている獄寺の姿が有った。
しかし綱吉は一人ある思いを秘めていた。
これは…綱吉と雲雀しか知らない秘密の話し……。
そう…今では信じられないが、綱吉と雲雀は付き合っていた関係だ。
二人とも好き同士で見事に付き合いはしたのだが、今後マフィアになるのならばと別れてしまったのだ。
綱吉は雲雀が雲の守護者なのは、承知の上だった。
綱吉の心の内は未だに雲雀なのだ。
けれど、雲雀は綱吉の背中を押した張本人でも有り、自ら言う気もなかった。
しかし、綱吉も綱吉でタイミングを逃し、10年と言う長い年月だけが過ぎていた。
綱吉の心は雲雀へ。
でも良い思い出にはしたい…。
今は獄寺が傍にいるのだから。
そう…綱吉は今現在は獄寺と付き合っていた。
別にだからと言って雲雀の変わりではなかった。
ちゃんと考えて出した答えだ。
でも…雲雀とは時たまこうして逢ってしまう度に心が揺れてしまう。
いけないのは解ってはいるが、それでも綱吉はまだ何処かで雲雀を思っていた。
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