FinalFantasyT
27.飛空挺GET!!
クレセントレイクの町で少しだけの休憩をとった一行は、飛空挺があるという砂漠に向かった………
…………しかし、誰がこんなことになるなんて予想していただろうか…。
『うわぁぁぁぁぁぁぁ!無理っ!!無理だってぇ!!!』
「大丈夫よ!!優羅!貴女なら出来るわっ」
『大丈夫とかそんな問題じゃないっ!!私は産まれてこの方一度もこんなもの扱ったこと無いんだってぇー!!』
会話を見てわかるとおり………ただ今飛空挺に全員で乗っている…
乗るだけだったらここまで苦労しない…
問題は、操縦できる人間が居ないことだった…
確かに、機械文明が衰退してしまったこの世界では仕方ないのかもしれない…
仕方ないのかもしれないけど………
『分かんないもんはわかんねーよぉ…』
操縦かんにもたれ掛かるように項垂れた優羅に、ヤヌスは困ったように頭をかいた…。
「まぁ。やれるやれないじゃなくやるかやらないかの問題なんじゃねーのかな………。
とにかく、急がずゆっくり進もうぜ?優羅だって、事故とか起こして怪我したくないだろうし………」
その言葉に優羅はガバリと起き上がってぼそりと呟いた…。
『そうだ………やれるやれないじゃない………やるかやらないかなんだ………。
ありがとうっ!!ヤヌス!!』
ヤヌスに笑顔で礼を言った優羅は覚悟を決めて操縦かんを握る。
『よぉし!!この飛空挺を操縦出来るようにしてやるっ!!』
そしてセーラを空中デートに誘うんだぁー!!
「ウォーリアよりセーラなのね………」
「まぁ、現に乗ってるしね…僕ら」
半ばあきれた様子でしゃべるサルテ
「はははっ!!こりゃ男と間違えられてもしかたねえな!」
そうヤヌスは笑う
「……本当にあいつは女なのかどうかすら分からなくなるときがある…」
ウォーリアに至っては本気で心配しているようだ…
でも……とリースは続けた。
「なんかね…優羅、らしくなった気がする」
「らしくって?」
意味が分からないサルテが首をかしげるとウォーリアは理解したように頷く
「あぁ、確かに…心のそこから笑うようになった………」
それを聞いてヤヌスは
「後嘘が分かりやすくなったな!」
と面白そうにそう言った
うぉっしゃー!!やってやるー!!と言いながら操縦しようと頑張っている優羅を見てヤヌスは穏やかな笑みを浮かべる…
そう……彼女もまた、変わろうとしていた。
彼等が彼女と出会い、変わったように…
彼女もまた彼等と出会い変わろうとしている…。
この変化が、後の彼らの未来に大きく関わってくることなど…
いまはまだ…知るよしもなかった。
続く
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