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FinalFantasyT
22.クレセントレイクの町にて―カヌーGET!―


取り敢えずそんなこんながあって、私とウォーリアは展望台から降りてみんなを探していた……。


「優羅?どうした」


『……。いや…皆何処行ったかなーと』


「………。確かに、な」


流石に、何処を探しても見付からないとなると少し焦る。


ふと、ルカーンとのやり取りを思い出す。


『…デジャブだ』


「?何がだ?」


何となく言ったその言葉はウォーリアに届いたらしく、不思議そうに優羅に聞き返した。


『や、こっちの話……』


「…そうか」


そう言ってウォーリアは優羅の隣を歩く。


もうすぐ日が暮れそうな茜色と紫の混じった不思議な空が、まるで二人の悲しい未来を教えるかのように色づいていたことなど…今の二人に分かるはずもなかった………。








クレセントレイクの宿―



「あー!!探したよ!優羅、ウォーリア!」


皆を探して結局見つけられなかった二人が宿に戻ると、聞き覚えのあるが二人を叱責した。


『それはこっちの台詞だ。一体何処に行ってたんだ?』


『一回宿に戻ってたんだぞ』というと、声の主、リースは申し訳なさそうに頭をかいた。


「ごめんなさい。私たち、あの後色々回ってね。お陰で火のカオスの居場所とそこに向かうためのカヌーを貰ったの」


『そうか、あれ?ヤヌスは?』


「彼なら…女性に囲まれてるわ」


そう言ってリースが指差す先には……


「わ、悪いけどオレ、旅してるんだ。その…仲間もいるし、待たせてるからよ…」


「そんなのいいじゃないですか〜。一緒にここで暮らしましょうよ〜」


「ちょっと!私が先に誘ったのよっ!邪魔しないで!!」


女性が押し合い圧し合いヤヌスの気を引こうと躍起になっていた……。


ヤヌスはウォーリア程ではないにしろ、美形だ。


そのせいか、他の町でも女性は寄ってきていた。


しかし、この町での女性の寄り方は異常に見えた…


『ヒュー♪モテてんねぇ♪やるじゃんか〜』


口笛を吹いて茶化すと、ヤヌスの悲痛な声が聞こえてくる…


「茶化してないで助けてくれ〜!優羅〜(T▽T)」


『へいへいっー、と』


優羅はそう言うと髪を少しかきあげピンで止める。


元々男顔のせいか、少し髪を弄るだけで立派なイケメンの完成…


『やぁ。お嬢さん方…。僕の連れに何か用かい?』


お得意の七色ボイスならぬ十二色ボイスで女性に声をかける優羅…


はたから見れば、大勢の女性をナンパしているように見える。



「やっ、きれい……」


「あ、あの…色男さん♪今夜食事でもどう?」


イケメン(女だけどな♪)の登場に女性たちの声も上ずる。
しかし、扱いになれているのか、それとも口がうまいだけか…誘ってくる女性をうまく言葉でいなす…。


「………。オレもあんなふうになれたらな…」


「いや。ならなくていい……というか、ならないでくれ…」


 あの性格が二人となると色々な意味で疲れる……


そんなことを思っていると、優羅が髪をおろして、こちらに向かっていた。


『ただいま戻りました〜♪うーん、やっぱりあの金髪の女の子誘ってくべきだったかな?惜しいことしたなぁ〜』


可愛い女の子を誘えなかったのが悔しかったのか、本当に残念そうにしている。


「お前は…全く。相変わらずと言えば相変わらずだな」


その言葉に優羅は頭にクエスチョンマークを浮かべる。


『へ?お前の前で女の子ナンパしたことあったっけ?』


ウォーリアは自分で言った言葉にハッとなった。


何故、昔からだとわかったのだろう…


彼女が我々と会ってから、一度もそれらしいことはしていなかった。


『うわー。もしかして超能力か?だとしたらすげぇ〜』


呑気にそう喋る優羅に少し呆れる……


そんな感情も、何故か懐かしく感じる…


懐かしくて、何処かで会ったことがある気がするのになにも思い出せない。


『ウォーリア?どした?顔。怖いぞ?』


「ん?すまない。そんなに変だったか?」


いつから見ていたのか、優羅は困った顔をしている…。


『変。というか、らしくないな?何か悩み事でもあるのか?』


「………。そうだな…この際聞いておくのが無難か…」


ウォーリアはそう言うと顎に手をあて少し考えたように喋り出す。


「君と会ったときから。何故か君の事を知っているような感じがしていたんだ…」


『私と?……そんなまさか。あっちにゃこんな美形はいませんぜ?』


「そう、か。すまない…訳のわからない質問をしてしまったな…」


そう言ったウォーリアの顔は、優羅にはとても悲しそうに見えていた。


『も、もしかしたら。ホントは何処かであったことあんのかもしんないな!』


優羅は慰めるようにそう言った。
そして、恥ずかしそうに頭をかく


『えと、さぁ。実は私もあっとことあるんじゃないのかなって、思っててさ…』


ウォーリアは優羅のその言葉に驚いた。
自分と同じことを感じているとは思わなかったのだ。


「そうなのか………偶然、ではないのかもしれない」


いや、そうあって欲しい。


『もしそうだったら、良いのにな♪』


そう言いながら、優羅はニカッと笑った。


『ほら、今日は休もう…。明日から火山調査なんだから!』


張り切ってそう言うと、優羅は割り振られた部屋に向かっていった…。


「いいよな〜ウォーリアはイチャつけてさ…」


「そうよねー。ホンっとラブラブなんだから…」


「…………」


ウォーリアはこれ以上言葉の追撃を喰らわぬようそそくさと部屋に向かっていくのだった……



続く…


____________________
あとがき

進みませんねぇ〜


どうしましょうか?


相変わらずなウォーリアとヒロイン書いてたら何だかのほほんとなっていましたよ。


次はマリリスのとこに向かいます〜



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あきゅろす。
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