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FinalFantasyT
2.初めての戦闘

見上げた空には清々しいほどの青い空。


いつもの自分だったら空でも見ながらのんびり鼻唄とか歌ってた。


「いつもの」自分だったら。







『きれいだな〜何て言ってられねーよ。これじゃあ』




家から出たとたん見知らぬ土地にやって来てしまった優羅は諦め半分期待も半分で歩き回っていた。


『おーい、誰かいませんかー?』


等と声を出してみるも、返事はあるはずもなく。
乾いた風がさらりと優羅の髪を撫で上げるだけ…………………。


『う〜。誰かいねーのかよ……。!!うわっ!ととと!』


ガッ!ドサッ


相変わらずぶつぶつ文句を言っていた優羅は足元にあった「物体」に気が付かず。そのまま躓き転んでしまった。


『イッテてて……。何だよ一体。岩かなんかか?』


優羅は転んだ拍子に打った鼻を擦りながら、転んだ原因のそれを見た。


『………………………うわ〜。マジか……』


 うむ。正直に言おう!見なきゃ良かった!!!


しかしどう思ってももう手遅れ。


見てしまったのだから…………………。




なんと……





そこにあったのは、岩なんかではなく……




白骨化した人の遺体だった…。


どうやらここで死んでしまったものらしい。


服は殆ど無く腕と一部の骨がないところを見ると。五体満足で死んだのではないことがよくわかった。


 これ、もしかしてモンスターいるのか?


よく見ると死体の側にはまだ鈍い輝きを放つ剣が無造作に置かれていた。


 ……間違いないな。この剣を見る限りはつい最近食い殺された旅人なんだろうな。


ゾクッ―


優羅は感じたことのない類いの寒気を感じ辺りを見回す。


 何だ?今の……。


首の後ろを押さえながら、優羅は死体の側の剣と鞘を取った。


『ごめん。これ、貰ってくよ?』


 私だって死にたくないし―


剣を鞘に納め、肩から掛けると再び歩き出した。




どれくらい歩いただろうか。


辺りに気を配りながら歩いていた優羅は後ろからさっきの寒気を感じ後ろを振り返る。


するとそこには一匹の狼に似た生き物。


『っ!まさか…ウ、ウルフッ!?』


その狼に似た生き物−ウルフは唸り声を上げながら彼女に飛びかかった。


『!!うわっ!っと!』


飛び掛かってきたウルフを間一髪で避けると剣を引き抜き真一文字に凪ぎ払う。


ザシュッ!

ギャアゥ!!


剣は見事にウルフに当たりウルフは真っ二つになって消滅し……



先程までウルフがいたところには、硬貨と毛皮が落ちていた。



『こ……怖ぇぇ。こんなのがウジャウジャいんのかよ』


 ヒヤヒヤするとかそんなんじゃないぞこれ!?心臓が持たねぇよ!



ギィッ!ギギィッ!?



『ゲッ!まだいやがった!今度はゴブリンかよ!』



ゴブリンは小人のような容姿だが可愛いなんて一言も言えないほど狂暴で、優羅を見るなり集団で襲いかかってきた。



手には小型の手榴弾の様なもの。



『え?!ちょっ!手榴弾とか無しだろ!!!』



 うわあぁぁぁ!!!ここに来て早々何でこんな命のやり取りをしなきゃなんねーんだぁぁぁ!!!



そう心の中で悪態をついても、事態は変わるはずもなく…………………。
ゴブリンの投げた手榴弾は周りで爆発していった。



シュッ−



『いっ!ったぁ!!このっ、やりやがったな!』


恐らく爆発した破片が頬を掠めたのだろう。
鋭い痛みが生じたところに触れると、指にかなりの血が付いていた。


しかしそんなことを気にしている余裕などない優羅は傷の痛みを無視して片っ端から敵を倒していった。


『最後っ!』


ザシュッ!


最後の一匹を倒すと、優羅は勝ち誇ったように剣を掲げ


『ざまーみろ!こっちだって弱くないんだよ!』


と叫んだ。(厨二病っぽく)

優羅は頬の傷以外は殆ど無傷で、ギルもかなり貯まり、アイテムなども多くなっていた。レベルでいったら10ぐらいにはなっているんじゃないだろうか。
いや、もしかしたらもっと上がったかもしれない…………………。


『あ、そうだ』



優羅は思い付いたようにバックを漁ると、先程手に入れたアイテムを取り出して眺めた。



『ギル、ポーション、その他もろもろ……。やっぱりFFの世界のアイテムだ』


アイテムを眺めながら優羅はそう呟いた。


『うーん。ならどっかに町とかないかなぁ』


そう優羅が呟いたとき……


「キャアアアア!」


響いたのは女性の叫び声。


『誰かいるのかッ?』


叫び声を聞き付け優羅が駆け付けると、フードを被った女性がモンスターに囲まれているのが見えた。


『大丈夫か!』


そう言いながら剣で敵をぶった切っていく優羅のその姿にフードを被ったその人は驚いていたが、優羅が敵を全滅させて剣を納めると(順能力高いな…)フードの人はおそるおそる声をかけた。


「あの……あなた…名前はなんて?」


『ん?私は優羅だ。よろしく。怪我はない?』


「えぇ。大丈夫よ、私はリースって言うの。よろしく優羅」


そう言った女性はよく見ると白魔術師の姿をしている。


『もしかして君、白魔術師?』


「?そうよ。戦うのに馴れてないのに他のみんなとはぐれてしまって」


『それで囲まれてたのか』


「でもあなたのお陰で助かったわ。有り難う」


『どういたしまして。まぁ、人を助けるのに理由なんていらないからな』


 本当は助けてもらいたい方なんだけどね〜


そんなことを思っているなど露知らず。リースは瞳をキラキラさせている(様に優羅には見えた)


「優しいのね」


『そんなんでもないさ。……あ、そう言えば私はここの地域のことよく知らないんだ。町とか何かない?』


「あ!それならあっちに城があって、あそこに向かうつもりだったの」


そう指差す先には確かに城のような建物が……


 よし決めた!彼処が最初の目的地だ!そうと決まったら−


『なぁ、リース。あの街までしばらくの間パーティー組まないか?』


「え?いいの?」


『あぁ、だって白魔術師は戦うの苦手だろ?』


「有り難う!優羅!」


そう言ってにこにこ笑うリースを「可愛いな」なんて思いながら見ている優羅であった。





続く…………………










______
あとがき


二話目いきました。
相変わらず、ヒロインのキャラぶれっぱなしです。
どんなキャラにしたいんだ!自分は!
……と、こんな感じで進行中です。


2018 6/8:訂正



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あきゅろす。
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