FinalFantasyT
6.カオスの神殿へ―2
カオスの神殿に入った光の一行は、その異様な雰囲気に足を止めていた。
中は特に変わったところはない。
只、気配だけがやたらと鋭くなっていた。
『ウォーリア……』
「……進もう」
ウォーリアの言葉と共に一行は中央にある部屋へ足を踏み入れると…………………
そこにはガーランドと拐われたセーラ姫がいた。
ガチャッ……
ガーランドは優羅たちを見て驚いたような様子だった。
(兜に隠れて表情は見えないが……)
「誰だ。貴様らは……。もしや王の差し金か?愚かなことだ、ワシがナイトの中のナイトであることを思い知らせてくれよう!!」
そう言って武器を構えるガーランドに対してウォーリアたちも武器を構えたが…………………
『ナイトの中のナイトって…………………自分で言うものなのか?なぁ。ウォーリア』
「優羅…………貴女ね?今そんなこといってる場合じゃないのよ?」
いくらなんでも場違いすぎる優羅の発言に四人はともかくガーランドまでもがポカンとしていた。
ウォーリアに至っては額にてをあてため息までついている。
『悪い。少し気になったんだ。だって普通自分じゃ言わないだろ?あんな言葉』
グサリ―
只今ガーランドの心に何かが刺さったようです。
『しかも、セーラ姫にフラれて拐ったんだろ?何か如何にも倒してくださいとしか言い様のない王道さだよな』
グサッ―
またまたガーランドの心に何かが刺さったようです。
『しかも、姫のストーカーって………………』
『情けなくない?』
ドスゥッ!!―
ひときわ大きいのが心に刺さったようです。
「ま……待て。これ以上言われたら心が持ちそうにない……」
そう言って優羅の独り言を制止しようとするガーランドに止めとも言える言葉を掛ける。
『中年のおっさんが硝子のハートとか笑い話にもなんねーんだけど』
ザクゥッ!!!―
その一言がとどめになったのかガーランドは項垂れてしまった。
そんなガーランドを光の戦士の四人が哀れむような眼差しで見ていたのは言うまでもない。
「クッ!ここまで言われて立ち上がらぬナイトが居ようか!」
しかしそこは、ナイトの中のナイトと呼ばれた男。
直ぐに立ち直り戦闘に入る。
『むー。言葉攻めではダメだったか……残念』
仕方ないと剣を引き抜いた優羅は残念そうに言った。
「あれ。作戦だったのね…………………」
リースは呆れたようにぼそりと呟いた。
ガーランドとの決着は早々についた。
「ワシは…………………死なん!!!」
そう言いながら崩れていくガーランドを見て優羅はぼそりと「だから、格好つかないだろ、そのセリフ」と言ったのを四人は敢えてスルーすることにした。
『あ、そうだ。セーラ姫』
今更ながら目的がセーラ姫の奪還だったことを思いだし、一行はセーラ姫のもとに向かった。
『大丈夫だろうか…………………』
あれだけ激しい戦闘(ほぼ一方的なリンチ状態)があったのに一向に目を覚まさないセーラ姫に優羅は心配になって顔を覗き込む。
するとタイミングよくセーラ姫の目が覚め、かなりの至近距離対面になった。
「!!!!」
あぁ。この前の私ってこんなんだったのか〜……………………じゃなくて。
『あぁ。ごめんよ。心配になって覗きこんだら丁度目を覚めたから顔が近くなってしまったね…………………怪我はないかい?』
男顔の優羅がかなりイケボでそう言った為かセーラ姫は顔を真っ赤にしてアワアワとしていた。
するとそんなセーラ姫を見て優羅は「可愛いなぁ〜」何て言って頭を撫でるものだからセーラ姫の頭はショート寸前だった。
「あ、あの…………………」
『ん〜?』
「て…手を離してくれませんか?」
『え?あぁ。ゴメンゴメン。嫌だった?』
そう言って手を離すと。真っ赤になりながら首を横に振った。
「優羅。そろそろ戻りましょう?」
そう言ってセーラ姫にある意味助け船を出したのはリース。
他の三人も頷いている。
『そうか。なら戻ろうか!』
そう言って明るく歩いていく優羅の後ろで、リースは「無自覚って……罪よね」と呟き、その言葉に他三人とセーラ姫は頷くしかなかった。
続く…………………
______
あとがき
はい、やっと終わりましたで。
序章が……(;・ω・)
これからやっと本格的な旅に入っていくんでっせ!
こないなことやっててホントに先進めるんかい!なぁ。どないしたらええと思います?
…………………なーんて、関西弁ぽく喋ってみたかった。
多分大阪の人が見たら「これは違う!!」と総バッシング来そうです。
後書きのはずが何故か小ネタに…………………
それと、ここのガーランドさんは総リンチの袋叩き状態で土に帰りましたとさ♪
…………………何か可愛そうだな(;・∀・)
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