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叶わないと知っていても
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僕の肩に埋められた浩の顔。
頬をくすぐる吐息は凄く熱かった。



「今更遅ぇと思う。

約束だってすっぽかしてたし浮気だっていっぱいした。

けどお前がいなくなってから他のヤツが抱けなくなった。

いつだってお前を探してた。

嫌だったら突き飛ばしていい。



───俺は静樹≠ェ好きなんだ」



止めどなく涙が溢れた。
僕が君の口から一番聞きたかった言葉。



「…本当に、今更だ。

こんなに強く抱きしめられたら突き飛ばせないじゃん」



僕がそう言うと浩は更に腕の力を強める。
それが凄く、嬉しかった。



「もう、浮気しない?」



「ああ」



「約束だってやぶらない?」



「ああ」



「僕を、一番に愛してく…」



言い終わる前に浩の唇が僕の唇と重なった。
優しく、深く重ねられた唇。
周りが見てても気にならないくらい幸せなキスだった。



「俺はお前しかいらねぇ。

別れたいっつっても絶対ぇ離さねぇから。



…愛してるよ静樹」



あれだけ忘れたかったのに、僕は君の言葉で何回でも恋をする。
別の生き物みたいに胸が騒ぎ出す。
嬉しくて笑みがこぼれる。



「ずっと前から僕は浩を愛しています」



叶わないと思っていた、契約的恋愛。
無理だとわかっていながら捨てきれなかった君への想い。
愛しています、誰よりも君を。
だから君も僕を愛してください。



───溺れるくらいの愛を。



‐END‐






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