宵闇に曙光を
5
学校内に放置されている熊は人語がわかるらしい。
…てんなわけあるか!!
「お前熊なのに人語わかるの?」
熊はまたコクッと頷いた。………わかるのか。
動物の常識を遥かに超えてると思うが実際にわかるのだからしかたない。
「わかった、熊鍋は止すよ」
今日は松茸ご飯で我慢するよ。
熊の頭を撫でると私は蘿をほどいてあげた。
また襲いかかったらこの包丁で熊鍋にすればいいし。
「森にずっといたから汚れてるし一緒に風呂入ろう」
まだ炊けるのに時間掛かるし。
熊を連れて洗面所に向かった。
どうせ熊だから裸見られても平気だろう。
そうだ、この熊に名前付けなきゃ。
「お前、今日から“クー”な」
熊だから“クー”なのであって決して某ジュースの水色のキャラクターのことではない。
「俺は相坂瑠樹、よろしく」
入学式前日、私は熊の飼い主になりました。
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