宵闇に曙光を
2
金持ち学校とか女子が一人もいないなんてパンフレットには書いてなかったよ!?
「だから実質共学とは名ばかりの男子校なのよね〜」
天然な母は大事なことに気づいてない。
「一人が危ないから全寮制の学校にしたのに男子しかいなかったら意味ないじゃない!!」
「そう、そうなのよ!
だから瑠樹ちゃんには男子として入学していただきます」
拳を握って闘志に目を燃やす母。
「熱くなってるとこ悪いけどあり得ないでしょ。
女子が学ラン着て過ごすとか」
漫画じゃないんだからそんなうまくいくはずない。
「一応共学だからバレても退学とかないし、女子トイレとかもあるし体育は男女合同だから先生に言えば楽なメニューにしてもらえるから安心して!
部屋も特待生だから一人部屋だし着替えとかも包帯巻けばバレないわよ〜」
楽しそうに言う母。
「でも私」
「俺」
言葉を遮られ“?”を浮かべながら母を見ると…。
「明日入寮でしょ?
瑠樹ちゃんは今から“ルキ”から“リュウキ”になるの。
だから“私”じゃなくて“俺”」
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