宵闇に曙光を 5 「目が笑ってない…?」 あ、やべ。 初対面の人に喧嘩売ったかも…。 「今のは…」 「特待の外部生が来るってきいたからどんかヤツかと思ったけど。 期待を裏切らない性格だね」 フェロモンMAXの笑顔を向けられ一歩後退る。 今のが多分この美少年の本当の笑顔だろう。 威力が半端じゃない。 「僕はこの学校の副会長を務めてる2年の柳瀬薫、君は?」 この美少年は先輩らしい。 「相坂る…リュウキです」 危うく“ルキ”って言うところだった。 「リュウキねぇ。 …気に入った、僕のことは薫って呼んで」 ニコッと笑う薫先輩はなにやら嬉しそうだ。 「ってことで理事長室まで案内してあげるよリュウキ」 これがこの学校のテンションなのだろうか。 私は先輩と繋いでいる手を見て思った。 「ここが理事長室だよ。 僕は仕事があるから戻るけどまたあとでね」 そう言って薫先輩は去って行った。 静かになった廊下で一人理事長室の扉を見つめる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |