宵闇に曙光を 6
甘えん坊で
喧嘩が大好きで
本当は寂しがりやな弟みたいな存在。 幸助の浮気に堪えきれなくて私はそんな彼を裏切った。 この半年間、何度
という私を引き留めようとした翔貴の言葉に悩まされたことだろうか。 今目の前にいる彼は、私を恨んでいるだろう。 離さないで、いなくならないでと言っていた彼を、何も言わず去って行った私を憎んでいるだろう。 それぐらいのことを私はした。 だから私はこの場を去らなければならない。 寝ている今、起きる前に去らなければ。 目を覚ました彼に訊くくらいなら自分で探した方がいい。 例え今度は森じゃなくて砂漠だとしても、ここで『紅蓮』のメンバーに会うわけにいかないんだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |