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宵闇に曙光を
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何なんだこの建物は。
薫先輩に連れられてここまで来たけどその間も凄いものをたくさん見た。
誰かの肖像画や巨大噴水、大理石の床に赤い高級絨毯。
踏んで歩くたびに心が痛くなる。
これが金持ちの当たり前なのだろうか。
意を決して理事長室の扉を開ける。
広がるのは高級ホテルのスウィートルームのような部屋。
そして目の前に飛び込んできた物体に開けた扉を閉める。



…私は何も見てない。
部屋を間違えたんだ。
そもそも来る学校を間違えたんだ。
きっとそう、早く帰らないと。
右回り後ろに向き扉に背を向けると閉めたはずの扉が開いた。



「リュウちゃん閉めるなんて酷いじゃないか〜」



独特な語尾の伸び方にため息が出る。
振り向くと母同様童顔の男が涙目で私を見ていた。



「…久しぶり秀一叔父さん」



母の弟、この学校の理事長、藺ヶ崎秀一だ。



「リュウちゃーん!!!」



秀一叔父さんは私の体に飛び付いてきて廊下の赤い高級絨毯の上に倒れる。





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