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シャワールーム
Coz of you 5




「…何のマネだ」




メロが俺の手から逃れようと顔を反らす
その目はしっかりと俺を捕らえたままだ



「あんな本を読むほど欲求不満になりすぎてついに頭がおかしくなったか? 」




…メロのその顔




俺がゆっくり手を離すと、同時に舌打ちが耳に届いた




メロが顎をさすりながら座り直して、パソコンを閉じる




さっきよりも広くなったメロの隣のスペースに俺は座った








「メロ、」




「うるさい」




呼ぶとメロは腕と脚を組んで、俯いた
不機嫌そうに眉間に皺を寄せているのが見えなくてもわかる








なだめようとメロの綺麗なブロンドの髪を優しく撫でる




「…女みたいに扱うな。そんなに女がいいなら出ていけ」




「……」




「大体お前はムカつくんだよ、マット。毎晩毎晩キスだのハグだの……」




「ん…」




「ヤりてぇだけなら他をあたれ。俺は暇じゃない」




「ごめん」





メロがちらりとこちらを見た




あぁ、ここでのごめんはヤりたいだけってのを肯定しちゃったことになるのか







深いため息が狭いリビングに響く




「…頭がおかしいのは俺の方か? あんな本に何イラだってる」




「うん、ごめん」




ダメだな、この言葉以外出てこない
目を合わせられない
俺は下唇を噛んだ







ふと、ソファーと何かのきぬ擦れの音が聞こえて
メロがゆっくりと俺の肩に頭を置いた




「馬鹿らしい…俺は自分で思っている以上に独占欲が強いみたいだな」




メロが自身を鼻で笑った




「ん…ありがと」




メロの身体を引き寄せると、甘えるように少しだけ擦り寄ってきた







「何も言うな…」




「ん…」




その潤んだ目元を俺は撫でた

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