02. 五十歩百歩※一護隊長
「一護サン、アタシ卍解に達しました」
三日ぶりに顔を出した喜助は、褒めてくださいと顔に書いてあるようなはしゃぎぷりで飛び付いてくる。
「惣右介に遅れること三日か…」
あまりにもそのテンションが高くてウザかったので、ぽつりと一番触れてほしくないだろう所に切り込めば、喜助はぴたりと動きを止める。
「…アタシは出来るけどしなかっただけです。現に三日で卍解を会得したんスから」
ぶーっと頬を膨らませてぶちぶちと不満そうに言う喜助に、はいはいと軽く流す。
ここで褒めるとまたサボり癖が再発しそうな気がするからな。
「…仕事の邪魔です。消え失せてください浦原隊長」
「…隊長に向かってその言い方はなってないんじゃないスか、藍染副隊長」
また始まった…
戻って来ての第一声で喧嘩を売る惣右介も悪いが、それを買ってしまう喜助も喜助だし…。
「ああそういえば、やっと!卍解を会得されたようですね、浦原隊長」
「くっ…アタシは、凡人!みたいに焦らないんスよ。やろうと思えば三日で会得出来るんですから」
なんだか『やっと』と『凡人』にやたら力が入っていたような…
お互い顔を引き釣らせながら睨み合う喜助と惣右介に、一護は溜息を着いた。
「やれば出来ることをしない君のようなぐーたら男が一護隊長に合うはずが無いだろう!」
「才能の無いアナタのような男が一護サンに合うとでも思っているんスか!」
「なんか…話がずれだしたな…」
ギャアギャアと騒がしい二人の話題がずれ出したことに、一護はイヤーな予感がする。
「隊長!」
「一護サン!」
「「どっちが好きですか?!」」
「私に勝ってから言え」
やはりいつもの展開。
そしていつもの結末。
変なところが似たもの同士な男二人、
今日も部屋の片隅で落ち込んでいました。
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