03.爛々と(藍一)



「時は熟したよ」

貴方の瞳がこれほどまでに輝いたのを、私は始めて見た。


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「旅禍…」

朽木ルキアを助けに来たという一団。酷く弱い彼等を助けてやれと、隊長に命令された。

(どうせ最後は消してしまうのに…)

四楓院夜一以外は副隊長クラスなら簡単に始末できるほど弱い。

「ルキアを助けるまで、手を貸す」

私の力を欲するくらいに


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「藍染隊長」

世界を裏切った貴方は、囲まれながら笑う。

「本当にくだらない世界だ…そうだろう、一護」

差し出された手に、皆の視線が集まる。

「随分と楽しそうですね、隊長」

肯定も否定もせずに、真っ直ぐに見据える。
爛々と子どものように輝く瞳は細められた。

「楽しくなるんだよ」

腕を掴まれ、引き寄せられる体。

後ろから「ヤメロ」と誰かが叫んだ。
でも…何がヤメロなんだろう?

「一護を放せ!」

何人かがそう叫ぶ。
隊長は愉しそうに笑って私の腰に手を回す。

「教えてやれ」

耳元に低い声

「君が初めから全てを知っていたことを」

素の、冷たい瞳で笑う

「黒崎?」
「一護?」

驚愕の瞳



「さようなら」

笑ってそう言えば、悲痛な声が、小さくなる地面から聞こえた。





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