03. 噛み付く(恋一)
ふわりと薫る、あの人の臭い。
それは、つまりのところ……またってことか?!
「一護!」
「あ、恋次ι」
ヤバ!と表情が一転した一護。
「ひ、久しぶり〜v」
可愛く首を傾げながら言う一護にほだされそうになるが、目を反らして堪える。
ここで負けたらまた同じことの繰り返しだ!
「一護、お前また…」
グッと拳をにぎりしめ、真っ直ぐに見れば、空をさ迷う視線。
「えっと……アハハ〜」
「ごまかすな!」
「…ごめんね、恋次」
真剣に怒鳴れば、ギュッと抱き付いて来て謝られる。
ここで許してもダメだ。
何たって前はここで許したからな…んで繰り返しι
「許さねぇ」
抱き上げた一護から薫る他の男の臭い。
ムカついて首筋に噛み付き、小さく悲鳴を上げたその口を塞いでベッドに押し倒した。
「む〜今日学校に行けないじゃんか〜!」
ぐったりと俯せになったまま、じと目で見上げる一護。
浮気をした自分の事等忘れたと言った風だ。
「あ〜飼い犬に手を噛まれた気分だよ」
秤エって犬?!
一護の一言に打ちのめされた。
「……クスッ。恋〜」
呼ばれて振り返ると、
「愛してるよ」
不意打ちが来た///
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