第二章・尸魂界@

狐と狸
〜その頃の尸魂界〜



「・・・は?」
「ですから、藍染隊長とギンが行方不明だそうですって言ってるんですよ!」

本日昼過ぎ

完全な遅刻をして見せた松本に怒鳴りつけようとしたところ、それを遮って告げられたのは、
ありえない二人の駆け落ち疑惑。
問い詰めれば行方不明という、それってかなりヤバイ事態なんじゃねぇの?という事。

「初めからそう言え」
「だってぇ〜噂じゃ駆け落ちが一番人気なんですよ」

大丈夫か瀞霊廷?
日番谷は重苦しく溜息を落とした。












「で、まだ見つからぬか?」
「申し訳ありません。隠密機動も全力で尸魂界を捜索しているものの影も形も見つからず、もはや現世ではないかと…」
「地獄蝶も使わずにか?」
「なんらかの必要性があったのでは?」
「…ふむ。しかし、隊長格の霊圧が現世にてあれば、さすがに滞在しておるものが気づくとは思うのじゃがのう」

一番隊首室では、総隊長である山本と二番隊長であり刑軍軍団長でもある砕蜂、一番隊副隊長の雀部が藍染・市丸の失踪についての報告に眉を顰めていた。
失踪後二週間。
騒ぎを大きくするのは些か難有りと表沙汰にはせずにいたが、どうも行方が一向に掴めない。

「雛森・吉良各副隊長にはこれ以上隠し切る事は無理かと思います」
「うむ」
「隊長羽織及び死覇装・斬魄刀を発見した浮竹隊長・京楽隊長もいぶかしんでおりますし…」
「……地獄蝶を放て、緊急隊首会を開く」

副官の困り顔に、山本は深く重く溜息を吐いて命じた。


続く



あきゅろす。
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