アメとお星様


「キラキラ〜」

庭以外の外の世界を知らない一護にとって、桃との御買い物はドキドキの連続だった。

こんなに広い土だけの地面も、一杯の人も

何もかもに驚いた一護だが、今一番気になるのは甘い匂いがしてキラキラ光る棒のついた『アメ』という物。

「一護ちゃんアメが食べたいの?」
「食べるものにゃの?」

キラキラ綺麗だから、おいしそうな匂いはしても食べ物だと思っていなかった一護は桃の言葉にコトンと首を傾げる。

耳が隠れるようにとフードを被った一護の可愛さに抱き締めたいのを我慢していた桃だが、これにはやられてしまいぎゅうっと抱き締めた。

「か…可愛いVvもう、お姉ちゃん何でも買ってあげる、あ、おばさんソレとコレ下さい」
「あいよ。嬢ちゃんたち仲良いねぇ、これもオマケしたげるよ」

二度目になると慣れたのか一護は桃が飽きるのをじっと待ち、その様子を見ていた飴屋のおばさんは和やかな二人の様子に笑みを零し、二本の飴を桃に渡し、コンペイトウを少し袋に入れて一護に手渡した。

「うにゅ?...ふにゃ、おほしさま!」

ごそごそと袋からとげとげの物を一つ取り出し、一護は目を輝かせる。

「コンペイトウって言ってね、ちっさいお嬢ちゃん食べてみな、おいしいよ」
「おほしさま食べれりゅの?!」
「ああ、パクッとネ」

恰幅の良いおばさんの言葉にドキドキしながら口に入れれば、ふわりと甘い味が口一杯に広がる。

「甘いね〜」

へにゃっと頬が緩んだ一護の表情に、おばさんは嬉しそうに笑う。

「よかったね一護ちゃん」
「うん!おばちゃんありがとう!」
「またオマケしたげるから遊びにおいで」

コロコロと小さなお星様を舐めながら、手にはキラキラ綺麗な薄紅色の二本のアメ。


目的地は近いけれど、寄り道一杯二人の道程…さて、辿り着くのはいつ?



あきゅろす。
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