はじめましてぇ?


「うにゅ〜…‥クシュン!」
「………」

偶然外に出かけ、偶然雨が降り、偶然雨宿りをした軒下。
偶然捨てられていた子…………猫?

箱の前には『可愛がってくださる方、拾ってあげてください』との貼紙。
「つまり、お持ち帰り下さいということか……」

箱を覗けば、フルフルと寒さに震えるオレンジ色。

「ふぇ?……ダレぇ?」

舌ったらずながらも言葉を発する子猫?を抱き上げ、にこりと優しく微笑む。

「藍染惣右介だよ」

「…う?ゔ〜あいじぇんそーしゅけぇ?」

「そうだよ」

よく出来ましたと頭を撫でてあげれば、耳がぴくぴくと嬉し気に動く。


「そーしゅけ、あにょねあにょ…うぅ〜」

名前を呼ばれ、撫でていた手を止めると、手をバタバタと動かして必死に何かを思い出そうとする。

「…あ、イチゴ!おりぇイチゴ!!」

しばらくの間、苦悩している表情も可愛いな…と思いながら見ていると、箱の中にぴょんと飛び降り一枚のプレートを取り出した。

『一護』

「……君は女のコだよね?」

妙な違和感を感じ持ち上げると、そこにはやはりついていない。

「うに?」
まぁいいかと納得して、
「ふふ、何でもないよ」

鼻先にキスを一つ。
藍染様、猫一匹お持ち帰り。



あきゅろす。
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