12.天目指す翼(05.真ん中過去)




『そこを目指せばお前たちは死ぬ』


二人の男に、一人の少女が告げた言葉。



『そこを知った私は死ぬ』



そして、その言葉を最後に太陽の色をもった少女は男たちの前から姿を消した。









「どうして助けさせてくれなかった」

月の色をもった男は少女の死後、狂ったように少女が死なないようにするための研究を続けた。


「どうして君が死ななければならなかった」

大地の色をもった男は少女の死後、静かに牙を研ぎながら少女を認めなかった世界への復讐を誓った。




「「(君/アナタ)こそ(僕/アタシ)が目指したものだったのに」」


手に入れた翼は、目指すものを失い朽ちていく。


「喜助、お前は一体…!」

月は遂にたどり着き、世界から飛び立った。


「藍染隊長?」

大地は月からの連絡に微笑を浮かべ、時が来たことに世界へ牙を剥き出す。









『私はなんだ?』


「アナタは太陽」
「天に立つに相応しい唯一」


ふわりと揺らめいた幼き太陽。
月と大地は跪く。


「「一護」」


ああ、やっとこの朽ちた翼で飛び立てる。

目指した天が帰ってきた。




『……生きていて、いいの?』


時折不安になるのは失いきれない過去ゆえか


「もちろんです。アタシはアナタを助けられる」
「当たり前です。貴女が居なくなったら僕はもう耐えられない」


月と大地は方向性は違うものの、根底は同じ、太陽を守る。



「アナタの精神を守りましょう」
「あなたの身体を守りましょう」


その心が虚ろうモノに喰われないように。
その身が世界から狙われないように。



「「だから(アタシ/僕)の傍にいてください」」





あきゅろす。
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