知られざる真実・補足


「この儂を現世に呼ぶとは、何の用じゃ?」

霊圧を飛ばす老人に、喜助は目を細めた。

「一護サンのことですよ」
「なに?」

その名前に老人はぴくりと反応する。

「せっかくだから選んでもらおうと思いましてねぇ…」
「選ぶじゃと?」
「はい。アタシの永久追放を解くか、一護サンに会えなくなるかです♪」

笑顔で言いながら、ぱたぱたと扇子を口元で仰ぐ。

「ふん。何を言うかと思えば…くだらぬ」

老人は鼻で笑い、帰ろうと踵を返す。

「じゃあ一護サンはそちらに行かせませんよ」
「それは一護が決めることでお主が決めることではないわい」

「残念ですけど、一護サンはアタシを選びますよ」

老人の真意に気付いていた喜助はニヤリと笑う。

「だって、アタシと一護サンは夫婦ですから」



「なん、じゃと?」

たっぷりと間を開けた返事に、老人の動揺を感じ取れ、喜助は笑みを深める。

「さぁ、どうしますか?」
アタシの追放を解き孫のような一護サンと後に生まれる曾孫達と過ごすか、追放を解かず一護サンと会えなくなるか…

どうします?






老人の答は、
喜助にはわかりきっていた。





真実のかけら



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