できちゃいました。
「へ?」
ニコニコと微笑む卯ノ花隊長の口から発せられた言葉に、一護はポカンと口を開けたまま固まった。
「と、冬獅郎…」
いつもより遅く、なぜかびくびくと脅えたように一護は部屋に入ってきた。
「あ、あのさ……」
話があると言い、俺の前に正座で座り、口をもごもごと言い辛そうにする。
「どうかしたのか?」
急かしてみると、顔を伏せてしまった。
一体なんだって言うんだ?
イヤな沈黙は思考をマイナスにして、イヤな考えばかりを浮かび上がらせる。
「…お、俺さ…実は……あの…」
嫌われたとか、別れるとか、一通りイヤな状況を考え終えたころ、やっと一護が口を開いた。
まだ、はっきりとは言わないが…。
「う…あの…その、えっと……」
「一護。覚悟は出来ているから、言え」
焦らされているのはこちらもツラかった。
「………できちゃった」
「他に好きな奴がか?!」
「は?」
過敏に反応した俺に、一護は首を傾げた。
どうやら違うらしい。
「じゃあ、何ができたんだ?」
「…赤ちゃん…///」
「……は?」
次は俺が固まった。
「…赤ちゃん?」
コクンと頷く一護。
え、マジで?
頭の中がぐるぐると回り、
出した結論は……
「結婚するか?」
「…いいの?」
問い掛けに問い掛けで返され、俺は
「いいに決まってんだろう」
頷いた。
嬉しそうに、硬く結んでいた唇を緩めて笑った一護。
俺もそれに釣られて笑う。
「一護、愛している。結婚してくれ」
改めて言えば、ほんのりと頬を赤らめて、顔を上げる。
「俺で良ければ喜んで///」
この日、俺達は家族になった。
これで邪魔者が減れば言う事無しなんだけどな…。
end
一万HIT第一作目
《妊娠話》
まぁ、できちゃった婚ですね…うん。
あ、一護は女の子です。俺って言っていますけどねι
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