愛猫(修一)
「あ……」
「一護?」
いい雰囲気になり、このまま押し倒してしまおうかと思った途端、一護の手がそれを阻む。
「ちょっと待って」
死覇装の前をおさえ、何かを隠している様子に眉を潜める。
「胸に何か隠してんのか?」
何と無く不愉快になる。
「いや、別に…」
目を逸らした?
「何?誰か他の奴にキスマークでも付けられた?」
「なっ!///」
火が着いたように顔を赤く染める一護。
修兵の眉間にさらに深くシワが刻まれる。
「マジなわけ?」
「そんなわけ無いだろう!!」
「必死に否定するところが妖しい」
一護の胸元に添えられた手を掴む。
「な、やめっ!」
ドサッ
「ミャ〜ァ……」
‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥
「ネコ?」
「うっ……ι」
赤かった顔が青ざめていく。
「か、可愛かったからつい…九番隊の隊舎から連れて来ちゃって…」
「隊長が一匹いなくなったって、……こいつか」
子猫は離れてしまった温かさを求め、一護に擦り寄っていく。
何となくムカッとして、首筋を掴み上げる。
「修?!」
慌てて猫に手を伸ばす一護の肩を引き寄せ、胸に納めた。
「おいチビ、こいつは俺のだ」
「ミィ〜?」
摘み上げた猫に向かって言い放つ修兵に、一護は小さく吹き出した。
「ヤキモチ?」
「うるせえ…///」
目元をほんのり赤くした修兵に、一護はそうだった…と笑った。
「なんだよ」
「なんでもないよ」
笑っていることに気付いた修兵が、照れたように口をヘの字にする。一護は笑ったまま、
体を起こして修兵の頭を撫でる。
もう大きな黒猫を飼ってたんだって、今思い出した…とは本人に言えないから。
「修兵だけだよ」
髪を除けて、額にちゅっと口付けた。
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