IF〜浦原が仮面の軍勢だったら?〜
「なァ、アンタ何時まで一護に黙っとるんや?」
ひよりは気配を消し、男の背後から声をかけた。
気付かれない自信は有ったが、全く驚かない男が気付いていなかったとは思えない。
「アンタが言えば一護かて素直になるやろうに…」
もう一つ、気配が増えた方に視線をやれば予想通り平子が立っていた。
いつもよりもイラついた様子は、自分と同じで見ていたからだろう。
…破面と一護の戦いを
この男も知っているというのに、動こうとしない。
「なんでや?破面に掠われてまうで」
このまま浸蝕されれば自分から敵になるかもしれない。
男は不敵に笑ったまま、何も言わない。
「アンタ…一護をどうしたいんや」
限界は近い
「このまま見殺しにするん?」
「まさか」
男はやっと反応を返してきた。
「わざわざこちら側にしたのに、死なせたりなんてしませんよ」
「じゃあ何で…」
「あの子がアタシだけに縋り付いてくるのを待ってるんですよ。苦しんで、どうしようもなくて…アタシだけを求めてくるのをね」
嬉々として語る男に、溜息を着く。
「悪趣味やな、浦原」
何で一護はこいつを愛したん?
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