愛しき華
「藍染隊長!」
僕を見つけると、笑顔になって駆け寄ってくる彼女に優しく微笑んだ。
昼休みは一緒に
いつの間にか、二人の間に出来た決め事
「一護くん」
振り返った君の手を握って、微笑む。
「いつもみたいに名前で呼んでくれないのかい?」
「…まだ仕事中だから///」
理解した途端真っ赤になった君は、小さく呟いた。
「残念」
そんな君に笑顔を見せて、一言だけ言った。
「いい天気だね」
今日は久しぶりの小春日和で、空を見上げれば太陽が白く輝いていた。
「一護?」
お腹いっぱいになったからか、暖かな陽射しのせいか、それとも両方なのか
一護は僕の肩に寄り掛かって居眠りを始めた。
揺れる瞼
くすりと笑って頭を撫でる。
「……愛してるよ」
ぴくりと震えた肩を引き寄せて、起こさないようにそっと脱いだ羽織を彼女にかけた。
「……///」
眠っているはずの彼女は、しかし頬を薄紅色に染める。
「……私も///」
ぽつり小さく呟いて、恥ずかしそうに胸に顔を埋めた一護が
あまりに愛しかったから、
「うん……知ってるよ」
痛がらないように、まるで壊れものを扱うが如く優しく抱きしめた。
耳まで朱くして、大人しく抱きしめられていた彼女は、安心したのかいつのまにか本当に眠ってしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「一護…」
彼女の眠った気配に、僕は引きずられるようにうつらうつらと眠りの世界に落ちた。
「………惣右介さん」
滅多に見せない恋人の寝顔に、一護は嬉しそうに笑って、かけられていた羽織を藍染にかけた。
「おやすみなさい」
肩を藍染に貸して、そっと空を眺めた。
END
〜後書き〜
お題部屋2000番
あやめ様キリリク
《一護♀に甘い藍染》
白藍染目指して…撃沈
白いと♀一護の方が強くなってしまう…!
あやめ様、リクに沿えているかが不安ですが捧げたいと思います!
こっそり下に黒藍染Ver.があったり……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「眠ったのか……」
愛しい華の穏やかな寝息にくつりと笑って、お気に入りの萱草色の髪を撫でる。
「もうすぐだよ」
染まっていく君
純白なんて弱いものはいらない
早く色づき
僕の色に染まりなさい
「こんなにも愛でてあげているんだから」
「…ン……」
「君は僕だけのために咲くべき華だよ」
もう一つのお気に入りは瞼に覆われたまま、小さく上がった声も結局起きるに繋がらなかった。
「君の準備が終わったとき、その時がこの世界との別れの時」
君と過ごす、このぬるま湯に浸かったような世界も面白いが、僕の望みはさらに高みに。
「……惣右介さん」
寝言なのか、僕の名前を呼んだ君
ああ、何て愛しいのだろう
「君を置いていってなんてあげないから」
瞼に口付けを落とし、
放さないと、強く抱きしめた。
黒藍染Ver.
END
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