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10年後の君 side-T


☆綱吉視点
中学3年生で、ちゃんとお付き合いしてるツナ炎







紆余曲折の末、なんとか炎真に、俺達二人の関係が“恋人”として認識されたのは、三年に進級してからのコト。
俺も、ただ炎真の身体を求めるだけでなく、互いに過ごせる時間を大切に思ったり、セックスせずにベッドで一緒に眠るコトが出来るくらいには、この二人の関係に余裕を持って対応するコトが出来始めていた。


そんな、今年のクリスマスパーティー後の布団の中。
炎真が俺の部屋に泊まっても、キスはしたけど、性交はせずに炎真を抱き締めて眠っていたりしたんだけど――…




「ぎゃははははははッ!!ランボさん登場だもんねッ!!ちねッ!!リボーンッ!!」
まだ母さんの「朝よ〜ツっく〜ん」の声がする前に、けたたましいランボの声が俺の部屋に響いた。
日頃の危機意識からか、俺はランボの「ぎゃ」の音で意識が瞬時に覚醒していた。
が、意識の覚醒と瞼の開閉は連動しておらず、続いて聞こえた「朝からうるせーぞッ!!」と言うリボーンの声と、ガン…という殴打音がしてからやっと、俺は重たい瞼を押し広げた。


ヒュルルルルルル〜…
「!?」…ボン!!
辛うじて判断出来たのは、ランボが持っていた10年バズーカの発射口が、俺と炎真が寝ていたベッドへと向いていたコトだけ。
気が付けば、俺の視界は真っ白な煙に覆われていた。


え…えええええッ!!
被弾した!?


………ん?


いや…あの妙な感覚は無いから…


慌てて飛び起きて、視界を覆う白い煙が晴れるのを待てば、そこは変わらず、見慣れた自分の小汚ない部屋で、俺はほっと胸を撫で下ろしながらふと隣を見た。


「ッ〜〜〜〜〜〜〜!!?」


先程まで、炎真が可愛らしくすよすよと寝ていた俺の隣には、確かに炎真と同じ紅い髪の人物が横たわっては居るのだが…




幸い、毛布で腰から下は見えないものの、俺の隣に横たわっているのは、明らかに情事の痕をその肌に色濃く残す、全裸の10年後の古里炎真だった。




ゴクリ…


ランボとリボーンが騒ぎまくる部屋で、俺は自分の生唾を飲む音がヤケに大きく聞こえたりしながら、隣で眠る10年後の炎真を目が乾くんじゃないかというくらい凝視する。
ふっくらしていた頬はシャープになり、その所為か全体的に顔立ちが大人っぽく――妙に艶っぽくなった気がする。
髪の長さは然程変わらない様で、見慣れた感じで下へと流れていた。
そしてその体躯は、今と比べたら当然成長してはいるのだが…


きっ…


…キスマーク多すぎッ!!


その細い首筋に、腕に、手首に、胸の至るところ、乳首の周りは特に念入りに。
臍の周りや、腰から足へ向かって…
とりあえず、「湿疹かッ!!」とツッコミたくなるくらい、炎真の身体には所有印がこれでもかと刻まれていた。




そんな、艶っぽい情事の痕を残す成長した炎真を前にすれば当然、沸き立つ好奇心が溢れ出る。
俺は毛布で隠れたその下半身も見たくなったのだが、ふと視線を感じて顔を上げれば、いつの間に騒ぐのを止めたのか、ランボが目を皿の様にしてこちらを凝視していた。
リボーンに至っては、ニヤリと不敵な笑みさえ浮かべている。


「???…炎真、何でベッドではだかなんだじょ?」
幸い(?)ランボの方からは、炎真の背中しか見えてはないだろうが、裸の背中をこれ以上詮索されても面倒だし、詳しく説明も出来ないわだしで、俺は慌てて毛布を引き上げて炎真を隠し、「とっとりあえず、でっ出て…ッ!!」とテンパりながら二人に出て行く様に促せば、リボーンがランボを部屋から蹴り出しながら「1つ貸しだぞ」と言って案外あっさり出て行ってくれた。


リボーンの“貸し”の言葉に軽く頭痛を覚えながら、一息吐けば、「ぅン…」と炎真の唇から悩ましげな声が漏れてドキッとした。
炎真を見れば、うっすらと瞼が開き、視点の定まらない紅い瞳がボンヤリとしていた。
今と変わらない不思議な光彩の瞳。
その視点が定まるのを待ちながら、ふと、俺は一抹の不安を覚える。




…――この、炎真の身体中に散らばる鬱血の痕は、10年後の俺が付けたモノなの?




10年後の炎真が目覚めて、目の前に俺がいるコトに酷く驚いたりしたら…




10年後の炎真は、俺とは違う誰かとこんな…




こんな、身体中に所有印を刻むようなコトをして――…









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