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If I am a mermaid


【If I am a mermaid...don't you think so ?】




「めでたしめでたし。」


そう言ってパタンと本を閉じる***。
ちょうどカダージュに絵本を読み聞かせ終わったところだった。
(カダージュが暇だから何か話してよーとしつこく言うものだから ***談)


「***、全然めでたくなんかないよ。」


だのに、当のカダージュは***の言った”絵本を読み終わった後にいうお決まりのセリフ”に異議を唱えた。
何故かといえば、たった今読んだ本のタイトルが『人魚姫』だったからだ。
王子様と同じ人間になりたかった人魚姫が魔女に人間にしてもらう代わりに声を失ってしまい、王子に自分だと気付いてもらえず、彼は隣国のお姫様と結婚する。
そして、結ばれなかった人魚姫は泡となって消えてしまうという話だ。
だから、カダージュの言う通りめでたくなんかこれっぽっちもないのだが…


「カダージュ、気にするのはそこなの……」


ふう、と切ないけど良い話なのに水なんて差さないでよとでも言うかのように溜息を付く***。
その様子を見てちょっとだけムっとし、足をばたつかせるカダージュ。
暫しの睨み合いという名の沈黙の末、それを破ったのは***だった。


「もし……私が人魚姫みたいに声が出なくなったら、カダージュは判ってくれるのかな…?」

「え・・・?」


そんな予想外の***の言葉と本当に切なげな表情に戸惑うカダージュ。
返事の返ってこない間の静けさに堪えられなくなったであろう***は少し俯いて、ぎゅっと服の裾を握り締めた。
その様子に慌てたカダージュは***の肩をがっちり掴むと、そのまま揺すって上を向かせた。


「もうっ***は僕の愛を疑うんだね!?」

「そんなんじゃないよ。カダージュ。」


カダージュの言葉に即答する***だが、表情はまだ曇ったままで…
次の言葉をどうしようかと悩み、絵本の内容を思い出しながら「これだ!」と思われる言葉を選ぶ。


「大丈夫だよ、***。僕が王子様だったらぜーったいに***のこと判る!」

「……。」


今度は手を握り締めながら諭すように言ったのだが、賢しい***は根拠の無いカダージュの台詞に不安を拭えないのか返事が返ってこない。
本当に困り果てたとでもいうようなカダージュは考えに考えた末…考える事をやめた。
心に素直になればきっと***も解ってくれるはず!そう思い真剣な眼差しと共に***に向き直る。


「もし…わからなくても他の女と結婚なんてしないし、***のこと…必ず見つけ出すよ。」


真剣と焦りと判って欲しいという気持ち、切なさを、カダージュの言葉と表情から読み取れた
***は微笑んだ。


「そっか…」


そして、握られていたカダージュの手をそっと握り返した。
やぁっと肯定の返事を聞けたカダージュは心の中でホっと胸を撫で下ろし、優しい瞳で***を自分の腕の中へと引き寄せる。
突然のことに顔を真っ赤にして硬直する***だが、耳元での甘く愛しげに囁かれた言葉に身体の力が一気に抜ける。


「安心した?」

「うん。」


***は嬉しそうに擽ったそうにはにかみ、悪戯っ子のような表情を浮かべるカダージュの綺麗な髪を撫ぜる。
気持ちよさげに目を細めたカダージュは名***の額にキスをひとつ贈って


「大好きだよ、***。」


そう甘く呟いた。





END







あとがきーた

なんなんだこれはーっ!!(叫)
はいっ初カダージュ夢・FF夢にございます〜
まだまだ未熟な面はありますが、ここまで読んでくださりありがとうございました!
お疲れ様サマです!!

カダージュって難しいですね。
てゆか偽者ですみませっ
というよりFF自体がとても難しいジャンルのように思います。


今度はもっと甘くなるように頑張りたいと思いまする!隊長!!


2008.3



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