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admitted being a fool
「貴方がしてきた事は恋という名の嘘よ。ブラッド」




【admitted being a fool】





そう言い放ったお嬢さんの目は酷く冷たく、殺してしまいたいような衝動に駆られた。

「嘘ではない。私は君を愛している・・・」

ブラッドは分かってくれとでも言うかのように、背を向けるアリスを力強く抱きしめた。
だが、アリスは黙ったままだった。

「何か話してくれないか。お嬢さん。」

不安げに部屋中に響く呟きは非情にも空に溶けてゆく・・・
暫くの拘束と沈黙の末に口火を切ったのはアリスだった。

「愚かよ。」

呟きに勝るか否かの程度の声量で紡がれた言の葉。
ブラッドは耳に届くその声に意識を傾け、次にくるであろうアリスの言葉を待っていた。



――時はひどく、つめたく
ゆっくりと流るる――



「・・・愚かだと言ったのよ!ブラッド=デュプレ!!」

そう叫んだ瞬間に、バッとブラッドの腕から逃れるアリス。
数歩下がり、睨みつけてもブラッドはいつもの通り微笑んでいる。
アリスはギリリと拳をにぎりしめて俯いた。

「何が愚かだというのだね?お嬢さん。」

「私なんかを好きになったりしてっ!」

愚かよ、ブラッドは・・・
と、目に涙を溜めながら俯いたままのアリスの頭をふわりと撫で、優しい眼差しを向けた。
アリスは戸惑ったように身をよじったけれど、ブラッドに抱きしめられてしまい動くことが出来なくなってしまった。

「愚かなのは君の方だろう?」

優しく頭を撫でていた手が止まり、耳元で囁かれた言葉にビクリと体を震わすアリス。
一方ブラッドは、そんな彼女を愛しげな瞳で見、言葉選びでもしているかのように考え込む。

「・・・そうだな、余所者を好きなる男より、マフィアのボスを好きになる女の方が愚かだと思わないか?」

ブラッドは何か面白そうに喉の奥でククッと笑っていた。
そして意味ありげにアリスを見つめる。

「私達は同じだな。」

「おな、じ・・・?」

「あぁ、愚か者同士、似合いの恋人だと思うが。」

それを聞いたアリスは目を見開いて驚くと、クスクス笑い出し、ブラッドもそれに続いた。

もう、二人の間に隔てるモノなんて何一つない。
感情でさえも。




「ブラッドの腕の中は暖かいのね。」

そう言って体をブラッドに預けたままのアリスは、恥ずかしげに頬を寄せる。
また、優しい手は頭を撫でる。

「当然じゃないか、お嬢さん。」


私の腕は君のために。

私は君を愛しているのだから。





窓から吹き込むそよ風は、優しく2人の頬を撫ぜていた。






END





あとがき
初ハトアリ小説でした〜
うーん、甘くしたかったのに糖度低めな作品になってしまいましたι

ブラアリ・・・ブラッドがいまいち難しいお人ですね!
精進します。

個人的にはエリオット・ユリウス・ナイトメアが相手だと甘くて好きですvV
双子も愛v

なんだかあとがきになってませんが、この辺で。
感想下さると嬉しいです。


2008/3/17




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