ちょっとだけ気遣い
僕は、いつものように先生の研究所に遊びに来た。そして、いつものように扉をノックして
「先生、こんにちは!」
と、言って元気良く扉を開ける。(返事を待たずに入ってしまうのでいつも先生に注意されます。)しかし、先生の研究所に居たのは、レイトン先生ではなく先生愛用のソファに横になっているデスコールだった。
「あっー!?デスコール!!」
僕は思わず近くに落ちてた(置いてた)石(化石)をデスコールに投げつけた。しかし、相手は石を投げつけられたにも関わらず横になったままだ。しかも、少し様子がおかしい。恐る恐る側に寄ると仮面をしているから顔色はよく分からないがどことなく青い様な気がするし、苦しそうに息をしていてる。悪い夢でも見ているのだろうか。
「デスコール…さん?」
不本意だがさん付けで名前を呼んでみたが反応はない。まあ、石投げつけられても反応はなかったからなぁとも思いつつ今度は体を揺すった。
「デスコールさん、起きて下さい!」
「…ッ!!」
「うあっ!?」
僕は、いきなり飛び起きたデスコールにビックリして床に尻餅をついてしまった。
「ハァ、はぁ…」
飛び起きた本人は、呼吸を乱して僕を見ていた。
多分、驚いた表情をしている。
「…大丈夫ですか?」
敵なのになんでこんな事聞かなきゃいけないんだと心の片隅で思ったが、僕は英国紳士を目指す少年、敵であろうと身体を気遣う。
「…嗚呼、大丈夫だ」
「水飲みますか?」
「…お願いする」
側にあったコップに水を入れてデスコールに渡してあげたら無言で受け取り一気に飲み干した。
「すまない。坊や」
坊やと言う単語に若干ムカついたが今だに顔色がすぐれないデスコールに質問した。
「どうして、先生の研究所で寝てたんですか。というより、どうして居るんですか。内容に選っては警察に連絡しますよ」
「いや、それは…」
言葉を濁らせた仮面男に僕は溜め息をつき
「今日は見逃してあげます」
「…なんだと?」
「ですから今日だけは見逃してあげますっ!」
「何故だ」
「体調が優れない人に対して僕はそこまで残酷じゃないです」
「…そうか」
そう言ったデスコールは、僕にコップを返し、扉からではなく窓から帰って行った。
「…不法侵入」
数日間
「ふぁー…っ」
朝、起きてみると枕元に棒付きキャンディとメモ用紙が置いてあった。何だろうと思い読んでみると
『坊やへ、先日は感謝する』
「…不法侵入ッ!!!」
END
20100716
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