『It fuels. ver.2』(黄火)*
「……っはぁ、」
涙で滲み、かすれる視界。
肌色と黄色ばかりのその中で、異色にも見えた青。
黄瀬の耳に光るピアス。
「っふ、ぁ…」
黄瀬の頬に手を伸ばし、薄らと汗ばんだ輪郭を辿って耳朶に触れる。
律動で揺られる中では安定して触れないけれど。
「……っかが、みん…?」
動きを止めて、言外に目で何?と尋ねられる。
問いには答えを返さず、そのまま両の手でぐいと引き寄せると、何の抵抗もなく眼前に近づいてきた黄瀬の耳。
金具が貫くその場所へ、首をのばして軽くキスを。
ちゅ、と小さな音をたててやれば、瞬間、火神の中で更に質量を増す。
「…………煽ってんの?」
「さぁ、な…ぅあっ!」
離れて見れば黄瀬の頬が僅かに赤みを帯びてる気がして、してやったり、と口端を上げたのも束の間。
再び律動が再開されれば、あとはただひたすら快楽の波に溺れるだけ。
end.
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