止まらない歯車は、加速をして。 知られたくなかった、のに。 ありふれた幸せのぬるま湯に、いつまでも浸っていたかった。 今この瞬間こそが幸せ。だけど、明日は支院ちゃんに会えない。僕の誕生日だというのに…。 ゴメンね。と謝れば、支院ちゃんは、ただ単調に頷くだけ。 毎晩会っていたのに、会えないのは初めてだ…。 支院ちゃんに会いたい、けど吸血鬼だらけの夜会につれてくる訳にはいけない。 少しは妥協しなくてはいけないのは分かっているけど、やっぱり淋しさは残る。 「一条さん、って」 支院ちゃんはふっ、と顔を上げた。交わる視線に、何故か冷や汗をかく。 「吸血鬼みたいですよね」 多分。いやきっと。 支院ちゃんは、その言葉に深い意味はない、ハズなのに。 心が潰されるように苦しかった。 1107ぷちこ |