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B/M小説
幸福への祈り歌



 いつだっただろうか、自分があまりに無力だという事を知ったのは。無力だという事に気付いてしまったのは。
 どう転んだとしても、大切な人間を幸せにする事なんか出来ない。アイツを幸せに出来るのはたった一人なのだと気付いた時からなのかも知れない。
 情報収集に戦術にとその方面でなら有能に働き、雄弁に語れるのにな。アイツを目の前にしたらただの人形のようでしかない。

 ただただ願うだけで。願う事しか出来ない自分が腹立たしい。
 アイツがそんな事を求めちゃいないと分かっていながらも、願う自分はもっと腹立たしい。
 オレの想いなどアイツにとっては何の意味もなく、頭の片隅にすら留める必要もないもので。

 ……だけど、知ってしまったんだ。オレはアイツの為に生きる事しか出来ないのだと。
 アイツの役に立てない自分は無意味でしかなく、アイツが必要としなければ何の存在意義もない。


(エゴだろうと何だろうと……それでも、)








END

2007.10.20

『ただただ、幸せを願う(こんな無力な僕の手で)


+++++
どんなに無力だろうと、大切な人の幸せを願う事だけは出来る。
例えそれがエゴであろうと何であろうと、願う気持ちは変わらない。





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あきゅろす。
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