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B/M小説
令状4.冷やかし上等、めげるな危険。

 いつからか視線を感じるようになった。いや、元々確かに注目は浴びる方だったが、ここまでじゃなかった。
 キリング・ダストだとか、レイジの腹心だから仕方のない事だったが、もうそういう理由では説明がつかなくなるくらいに見られている。しかも、異様な黄色い声が聞こえる。

「何かしたっけ、オレ……」
「どうしたんだ? ギル」
「れ、れれれれレイジ!」
 ぼへーっと考えていると、突然レイジの声が聞こえてきたかと思えば、すぐ隣にレイジがいた。
 突然現れるな、心臓に悪い。
 しかも、それと同時に黄色い声が大きくなり、聞こえてしまった、色々と。レイジに聞こえていないらしい事が幸いだ。でも、聞きたくはなかった。
 ――ほらやっぱりギルヴァイス様はレイジ様がお好きなのよー。ご自分の片思い生活に終止符を打たれるおつもりなのね。レイジ様だって満更じゃないわよー。おでこごちよ、見てみたかったわよねー。
……これではっきり分かってしまった。ここ数日間の視線の理由が。
 元々レイジに絶対の忠誠を誓っているオレだ、そういう噂はあったのだろう。しかし、先日のレイジの行動をみた侍女がそれを噂し、それをきっかけにここまで発展してしまったのだろう。
 しかし、それでもどうして気付いてもらいたいレイジ本人に気付いてもらえないのだか。


「ギル、どうした? 大丈夫か? まだ具合が悪いのか?」
 黙り込んだオレに、レイジは心配そうに見上げてきた。お門違いな問いだったが、心配してもらえる事が嬉しくもあった。
 そして、折角なので、利用させてもらう事にした。

「ああ、看病してくれるか?」
「なんだ、そんなに具合悪いのか? 大丈夫か!?」
 一段と大きく騒がしくなった黄色い声を代償に、レイジの看病をゲットした。
 ああ、もう侍女達の噂話なんかどうにでもなれ。確かに嘘ではないのだから。




2013.8.8



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あきゅろす。
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