チェリー
「んー」
「・・・?」
「貴方ってチェリーボーイ?」
「ぶふっ!!」
皆が町中で自由行動をとって、何故か宿屋のテラスでお茶をしていたふぁーすととルドガー。
といっても暇だから宿屋に残った二人なのだが。
そんな中、平然と爆弾的な発言をぶつけられて激しく動揺してしまうルドガーをふぁーすとは尚も微笑んで眺めていた。
「そ、そんな訳、」
「ないの?」
「…、俺部屋に戻るっ」
宿屋の階段を上っていくルドガーに、ふぁーすとは確信した。彼は童貞であると。
赤らめた顔が何よりの証拠だ。
「ふふ、面白くなってきた」
チップをテーブルに置いてその場をあとにする。彼女にとって彼が未経験というのはオイシイ話に過ぎない。
だから向かう先は決まっていた。
「ルドガー」
ノックをして中のルドガーに呼び掛けると、返事があり扉越しに用件だけを伝えることにした。
「私の部屋に来てくれる?調子が悪くて困ってるの」
「何の?」
「来てくれれば解るわ」
「解った。けどもう少ししてから行くよ」
それを聞いてニヒルに笑いふぁーすとは自分が泊まる部屋に戻っていった。
一方ルドガーは荷物を整理し終えふぁーすとの部屋へと急ぐと、扉を小さく叩く。
「空いてるわよ」
「何の調子がわ、る・・」
中に入ったルドガーを待ち構えていたのは、色気のある下着姿のふぁーすと。自分の目を疑うルドガーは焦って出ようとするが、扉を閉めてそれを制するのはふぁーすとだ。
「あんまり時間がないんだから」
「な、な」
ルドガーに言い寄ってベッドに追いやると膝の上に乗って彼の胸に手を厭らしく触れて、もう片手は彼の顔を撫でた。
顔を近づけ、唇が触れそうになるが辛うじてならない。
「ねぇ、ルドガー。私ね調子悪いの。疼いて疼いて堪らない」
「ちょ、んっ」
唇を重ね、ふぁーすとの舌が彼の口へと入り込んでねっとり絡めていく。
胸に当てていた手を厭らしく動かしてシャツを脱がせるふぁーすとはルドガーをゆっくりと倒した。
「は、ルドガー顔真っ赤」
「何してっ」
「解ってるくせに。・・ん」
ルドガーの首筋を舐める。
その間手は直に胸の飾りをクリクリと弄り出した。
「あ、・・く」
「ふふ、良い子ねルドガー」
チュクっとわざと音が出るように飾りを舐めるふぁーすとにルドガーは艶のある吐息をついた。
「ふ、うっ」
「ルドガー?もっと感じて良いのよ?」
「ふあっ・・・あっ」
「そう、素直でホント良い子ね」
甘噛みをされながらふぁーすとの言葉を聞いて、段々と行為を素直に受け止め始めるルドガー。
「じゃあ次はここも、」
「そこはっ」
「いや?」
「うあっ・・はあ」
「ね、正直に言って」
抵抗を見せたルドガーだったが、布越しに彼のモノを擦るふぁーすとの手に、抵抗の色もなくなっていく。
気を良くしたふぁーすとはズボンのチャックを降ろし、モノを取り出すと手を上下にスライドさせる。
「あう、あっ・・・」
「ルドガー起き上がって?」
上体を起こしたルドガーに深く口付ける。
「ふ、ん・・・ふぁ、ルドガー。このまま手でイきたい?それとも私の口?」
「あ、あっ・・」
「ん、んん、あん・・・ほら正直に」
わざといやらしい声を耳元で言ったらルドガーはもう理性を失った。
「口っ・・・」
「はーい、それじゃ」
「うあっ・・はあ」
ペロペロと舐めてクチュっと先端を舐める。
それにルドガーは耐えきれずあげき続けふぁーすとの頭を押さえるように撫でた。
すると今度はくわえこまれてジュルジュルと音を出しながら頭を動かす。
「く、もうっ・・だめだ・・っ」
「イく?ルドガー」
「は、あああっ」
白濁とした液体を彼女の口元にビュクビュクとぶちまけた。
息を荒げて肩で息をするルドガーにふぁーすとは顔をそこら辺においてあったタオルで拭うと、また軽くキスをする。
「生きが良いわね。濃いの出したのに少し触れたらこんなにビンビンに」
「あ、・・ふぁーすと」
「そろそろ童貞とさよならね」
一端ルドガーから離れ彼の前で足を広げて煽る。
「今度はこっちで気持ちよくなってね」
「はぁはぁ・・」
そっと布越しに割れ目に触れると直ぐに紐を解いて下着を剥ぎ取った。
体を入れ込みモノを宛がう、が。
「・・ルドガー?」
「いいのか?」
「可愛い・・」
ふぁーすとは起き上がり向き合う体勢で彼のモノをそのまま勢いよく挿入した。
「ああ、んっ」
「バカっ・・おま、」
彼の首に腕を回しそのまま倒れて、腰を動かしながら彼を見上げる。
ルドガーはもう歯止めは効かないとばかりに腰を動かし出した。
それはもう激しくなっていき、ブラも捲し上げ舐め回す。
「んあっ、あぁん・・っ」
グチッグチュッ・・ヌチュ──
激しさを増した動きに今度はふぁーすとがついていけなくなってくる。知ってか知らずか良いところに強く素早く打ち込んでくる彼にふぁーすとはあり得ないほど感じて媚声をあげ続けた。
「あんっやぁっ…んあっルド、ガ、あぁっ」
淫らに乱れるふぁーすとを目の前にルドガーは腰を掴み今以上に激しく打ち付けた。
「ああっいい・・っ、いいのぉっ・・やぁぁ」
ズチュッ・・クチャ、ズチッ──
ギシッギシッ──
シーツを掴み快感に悶えるふぁーすとはもう既にイッていた。
けれどルドガーはそれに気づくこともなく無我夢中で腰をパンパンと叩きつける。
「はっ・・は、射精る・・っ」
「んんっ、あ、あ、あっ」
「くぁ・・・っ」
「はぁぁ、ん」
トントン──
「ふぁーすとー、今戻ったよー」
「・・ん、・・レイア?」
いつの間にか眠ってしまったのか二人とも裸でベッドに横たわっていた。
ヤる前に鍵を掛けていて良かったと胸を撫で下ろしながら落ちている服に手を伸ばした。
「ふぁーすとー?」
「ごめんレイア、今着替えてるのっ」
「そっか。じゃあ皆下で食べてるから着替えたら降りてきて。あ、それと」
立ち去ると思ったが、言葉を続けるレイア。
「ルドガー知らない?」
「・・ルドガー、ね。彼は今」
さて、何て答えようか。
さよなら、チェリー。
「ルドガー、起きた?」
「あ、・・ふぁーすとっ・・」
「ごちそうさま」
「・・えっと俺たち、」
「うん?」
「恋人に、なろう・・」
「もちろん」
20121217
微妙・・だったでしょうか。アンケのコメントにルドガーとあったので書いてみました。
ルドガーまさかの受け身。
完璧に自分なら、と楽しく書いていました。極端ってなんだか好きなんです。
今度はドSを書いてみたい、です。
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