生きられない
「やだ、・・イヤだっ・・・」
「黙れよ」
どうしてこんな事になってるんだろう。解らない、・・解らないよ。
「ふぁーすと?どうかしたのかい?」
「あ、・・何でもない、の」
「そのわりには心ここにあらず、だったけど」
宿を出て森に入ったところでフレンが心配の声を掛けてくれた。
もし、今の私の悩み・・助け、とも言えるかもしれないけど、フレンに打ち明けたらどうなるんだろう。
「なーにしてんだ?」
「ユーリ。何だかふぁーすとの様子が変なんだ」
「・・。風邪じゃないのか?」
ユーリが加わったことによって私は思わず俯いた。彼の視線が目付きが怖くて顔なんて見れないし、声なんて出なかった。
「なら、僕が一度宿屋まで連れていくから先に行っててくれ」
「いや、ダメだ。後々面倒になる」
「だがユーリ、」
「あだなも体調管理ぐらいしっかりしろよ。皆と旅してるってこと忘れるな」
「・・・」
ゆっくり頷いてエステル達のあとを追う。
ユーリと私は昔からこんな感じで、仲が良いだとか友達だったとか、そんな和やかな関係じゃなかった。
寧ろ、ユーリ達と一緒に居れば、私が苛々の元になっていつも除け者だったし。
だからだろうか。
「うあっ・・だめ、・・んっ」
こんな不純な関係になったのは。
何故だ何故だと思いながらも、心の何処かで私が嫌いだから彼はこんな事をしてるんだと納得してしまっていた。
「あ、あっんぅ・・」
「何だよ、もどかしいか?」
態と遅く愛撫をしているユーリに目を向けて訴える。
ヤメテとモットという矛盾したものが入り交じった眼差しで。
「・・っ、んあっ・・やあ、あぁっ」
彼の指は乱暴に激しく動き始めた。意図も簡単にイってしまいガクガクと痙攣しながら逃げようとする私の腰を彼は押さえ付けて動けなくする。
私の中に入っている指の動きも変わらず暴れまわる。
「も、・・やぁんっ」
「声押さえろよ。隣のやつらに聴こえるぜ?・・あ、フレンに聴かせようか?今日森ん中で仲良さそうに話してたもんな」
「イヤッ!あ、あ、・・んんっ」
膣のすぐ上の飾りを親指で何度も弾かれてどうかなりそうだ。
そしてまた達してしまい、意識が朦朧とし始めるなか、彼のアレが擦り付けられて入れられると理解だけはしていた。
そして勢いよく入ってくる。
「ああっやめ、てっ・・」
「何を今更。好きだろ?」
「や、・・あ、あんあ、や・・らめ」
何度も何度も突き上げられて、私はどんどん体力を奪われていく。彼は元気に激しく突いてくる。
パンパンッグチャグチュ・・──
と嫌な音だけが耳に入ってくて耳を塞ぎたくなった。けどそんな暇なんてなくて、
「う、良いぜ・・もっと絞めろよ淫乱」
「やめ、・・も、・・あっ、やぅ・・んやあっ」
本日何度目かの昇天に私は意識を手放す。
朝になるといつも通りで、私は女性陣の部屋で目が覚めた。
彼は私を性欲処理の道具にするくらい嫌いなんだろう。キスもしていなければ愛の言葉を囁くなんてとんでもない。
「ふぁーすとっ!後ろですっ」
「解った・・!」
引きずっていた大きな鎌を振り回して攻撃を繰り出そうとした。
「獅子せ、・・ああっ」
「ふぁーすと!」
「・・!、あだなっ」
あれ、わたし・・。
頭がズキズキ痛むなか、目を開けると昼だったはずがもう真っ暗だった。どうやらテントを張ったらしい。
中には私しか居なくて、外からは焚き火の音と皆の声。
出ていきたいのは山々だが、頭痛いし起き上がろうにも体はだるいしで、横になって安静にしていた方がいいと自分でも解る。
テントの入り口が開く音がして私はちらっと見てみると、ユーリが居た。慌てて目を閉じて狸寝入りする。
すると、頭を撫でられ一瞬何をされたのか解らなかった。
これは夢だろうか、彼がこんなに優しいなんて・・。
「ごめんな・・守れなくて」
「・・・・」
起きているのに気づいていないのか普段言わない事を言いながら今度は手のひらを私の頬に滑らせ、そこに留まった。
そして唇に何かが触れる。顔全体に髪の毛のような物が垂れてきている。
つい目を開けるとユーリの顔が目の前にあって硬直すると、彼の目も開き至近距離で目が合った。
慌てたのか凄い勢いでユーリが離れた。
「起きてたのかっ・・?」
「う、ん。ごめんなさい・・」
「・・いちいち謝るな」
「ごめん」
「だから、・・いや、元はといえば俺が悪かったな」
バツの悪そうに頭を掻きながら私から視線をそらした。
いったい何なんだろう。さっきの言葉といい行動といい、今日のユーリは変だ。
「ユー、リ?」
「お前昼の戦闘で吹き飛ばされて軽い脳震盪を、」
「あ、その、ごめんなさい」
「だから何で謝るんだ」
「迷惑・・」
かけちゃったし・・。小さく言ったら彼は呆れたように私を見てくる。暗くてよく見えないが、きっと私を睨んでるに違いない。
「私の事嫌いなら無理にここに居なくても、」
「あ?誰がそんなこと言ったんだ?」
「・・違うの?」
ユーリは、あーもうっ、と舌打ちしながら私にキスしてきた。さっきと同じだ。
彼を見れば何だか怒ってる。
「・・・怒ってる?」
「ああ。こんなに伝わらないものだとはな」
尚更解らない事を口にしながら今度は苦笑いしていた。
「好きだよ、あだなが」
「へ」
「けどお前、昔から俺見ると怯えるし、喋らなくなるし。だから強引にでもあだなに俺だけを見てほしくて、」
あんな事をするようになった。
それを聞いた途端、手を伸ばし彼に触れる。
「ごめん、ごめんねユーリ」
「・・何がだ?応えられないってことか?」
「違うの。今まで解ってあげられなくてごめんなさい」
貴方無しじゃ
生きられないかも。
「これからは優しくしてくれたら・・その・・嬉しい、かな」
「あ、ああ。あだなはオレの、」
「ユーリ添い寝、・・しない?あの、恋人らしい事をしたい、と思って」
「!」
20121115
控えめなヒロインちゃんとユーリ。もうちょっとユーリを冷たくしても良かったかも。
ユーリの初裏は甘さより鬼畜さをですね、いし(ry←
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