海様へ 五万打企画
人間は汚い。欲深いせいで急に変わっちゃう。どうやら穢れというものがいけないらしい。
だから私も常に無を意識し続けて、誰とも関わろうとしなかった。そもそも信じられなかった。自分も穢れにやられたくないもん。
今じゃ導師が現れて穢れを浄化してくれてるって噂だけど、これこそ胡散臭い話だ。
けれど、何でだろう。自分から時たま黒い靄が見えてしまう。なに?これが穢れ?私、……。
「やだ、…やだっ」
小道にしゃがみ込んだ。急に怖くなってしまって自分の体を両腕で抱きしめる。
もう、私駄目なのかな。
「君、大丈夫か?」
「えっ」
一気に嫌な気配が消えて体が軽くなった。顔を上げると笑顔で見つめてくる、見知らぬ男。
その人は私に手を伸ばそうとしてきたものだから、慌てて手を弾いてしまった。
「触らないで下さいっ」
「…ごめん。俺が怖い?」
「…っ…」
「泣くなよ、な?もう大丈夫だから」
だいじょうぶ、それを聞いたら泣くなと言われても涙があふれ出してしまう。何故だか安心してしまったんだ。
その日は、街外れにある私の家にその人と女性を泊めることにした。
「こんなものしかないですけど…」
「充分だよっ、あと出来ればもう四つ準備してもらえると嬉しいな。天族も一緒だから」
色々話を聞いていたら、この人が噂の導師様らしい。まさか私とそんなに変わらない年の方だなんて思ってなかったから驚きを隠せなかった。
「今日は泊まっていっても良いのか?」
「きょ…今日だけです」
あまり人と関わらなかった私は、この人達が寝静まっても、一晩中寝れずに朝を迎えてしまった。
「泊めてくれてありがとね。ほんと助かったよ。ね、スレイ」
「うん。また来るよ」
「…そ、ですか」
正直怖くて二人の顔を直視できないまま顔を背けている間に立ち去って行ってしまった。
これでいつもの日常に戻って家に篭つつ本を読みながら一日が過ぎていくと思ってた。でもそうもいかないみたいで。
「良かった、もう寝たかと思ってたから」
「今日は、…何の御用で?」
導師である彼がやって来たのだ。少し警戒しながらも中へと通すと彼の腕に傷があるのに気付いてしまった。
「どうしたんですか?」
「あーうん、今日は俺一人だからさ」
「て…天族さんは?」
「今日はロゼと街の宿に…、って何して」
「救急箱です。ご、…ご迷惑でなければ……簡単に手当てをさせてもらおうかと…その」
「そんなに怯えるなよ」
「導師様、…なので…」
「スレイでいいよ」
「スレイ…くん」
それにどうやって人に接すれば良いのか解らない。相手もただの人ではなさそうだし…。
思わず俯いてしまったら腕をぐいっと目の前に突き出されていた。驚きながらも彼の顔を見ると優しく微笑んでいた。
「頼んでも、いいか?」
「は、い…」
それからと言うもの、彼は飽きもせずに私の家を訪ねてきた。私がどれだけ、他人を拒絶した反応を見せても懲りずにやって来る。来れない時はロゼって女性が訪ねてきたりもして、少しずつ来てくれるのを期待してしまう私が怖いくらいだった。
ところが、ある日を境に彼らはやって来なくなった。何かあったのだろうか。それともとうとう私に会いに来るのに飽きたというところだろうか。
どちらにせよ、今彼らが居ない事実は変わりはしないんだけど、胸の奥を抓られたように苦しくなった。
来なくなって一週間と言うところだろうか、雨模様の窓の外をよそに、読書に耽っていると、三回程度、戸を叩く音がする。
警戒しながらそっと戸を少し上げて隙間から覗けば、
「ス、スレイ君?」
彼がずぶ濡れで立っていた。慌てて彼を中へと招きいれて、タオルを彼の頭からかける。背伸びをしながらゆっくりと控えめに頭を拭いてあげると、スレイ君はクスクスと笑いをこぼした。
「ふぁーすとは優しいな」
「えっと…、」
タオルでよく見えない彼の顔。けれど、タオルの隙間から覗かせる目は、しっかりと私を捉えていた。その目を見た途端、時が止まったように動かしていた手を止めて、思わず見つめてしまった。
「俺の事、怖い?」
彼からの突然の質問に、胸が苦しくなりながらも、控えめに答えた。
「スレイ君は、怖くないよ」
「そうか、良かった」
私の答えに心底安心したようにタオルから顔を出すと、私の唇に彼の唇をゆっくりと押し当ててきた。
「拒まなくて良いのか?」
「正直こんなことするのは…穢れるかもしれないし怖い。でも…スレイ君の事、私は…私は、」
「ありがとう、ふぁーすと」
彼は最後まで聞かずにまた口付けてきた。目を閉じた私を彼は、濡れたままの服で抱きしめながら移動してベッドに私を押し倒す形で横になる。
「本当に平気?待ったなしだよ」
「スレイ君、…私大丈夫」
そんな私の言葉に、ハハッと小さく笑うと私の服を少しずつ解いていく。急に恥ずかしくなって顔を背けたら首筋にキスを落としてきた。前を開いて直に彼の冷たい手が胸を撫ぜるように包んだ瞬間、自分でも信じられないような嬌声を出してしまった。
顔が熱くなったのを感じながら慌てて口を閉じながらスレイ君の手の動きに耐えていると、今度は体のラインをなぞるように手を滑らせてスカートを厭らしく撫でながら捲られた。
そして、両足を思い切り左右に広げられて思わず、止めてと言葉が出る。
けれど、そんな易々と聞き入れてもらえるはずも無くて、下着の上から私の恥部をなぞってきた。
「ああっ…」
「もう濡れてる。ふぁーすとって実は感じやすい方か?」
「や、…知らな…んんっ」
「ほら、ここをこうされるだけで余計に下着が濡れてるし。外すぞ」
下着の上から小さく主張するそれをしつこく摩られて過剰な反応をしてしまった。私が涙目で、私の下着をその辺に放り出して胸の飾りを口に含みながら指で膣の入り口を弄んでいた。
「凄い濡れ方。指入れて良いか?」
「そんな…ああんっ…」
答えを聞く前に何かが入り込んできたのが解った。はじめの内はゆっくり動いていたそれも水音が経つほど激しく動きはじめる。
「あ、…あっ…やっ」
「凄いや、聞こえるか?これ」
「訊かなっ…いで」
「じゃあこれは?」
片手で腰を押さえつけて私の膣の上の飾りをぺろりと舐められてしまう。
「ひゃあ…やら…やだっ…」
今度は唇で挟みながら舌で激しく刺激を与えてきた。膣の中の指も本数が増えて更に激しく攻められる。
「スレイ君っ…変…変になっちゃ、」
「うん、もっと変になろうか」
「ああ、…ああっ…あ、…や、あ」
頭がチカチカしたかと思えば一瞬で力が抜けた。けど、痙攣したように下半身が震える。
「どんな気分?嫌だったか?」
「スレイ君…私……嫌じゃない」
「じゃあ大丈夫だな」
ほんの少し余裕の無さそうな表情を浮かべて濡れている服を脱ぎ去っていく。私は照れてしまってちゃんと見れない。けど、スレイ君はもう準備が完了したのか、私の腰に手を添えて私に彼のソレを宛がわれる。
目を瞑ってじわじわと入ってくる指とは違う質量に、涙を流してしまった。
「うっ、」
「ごめっ…ふぁーすと。我慢してくれ…っ」
全部入ったかと思えば、前後に腰を動かし始めた。痛みは段々和らいで、逆の感覚が生まれる。揺れるたびに私の嬌声が止まらない。
「ふぁーすと…っ、さっきの言葉、やっぱり聞こ、うかなっ…?」
「うあっ…や、あ!」
「俺の事、…どう思ってるかっ…」
「あん、あっ…す、き…、んっ、スレ…イ君がっ…んあ、好きなの…っ」
もうまともに会話が出来ない状況で頑張って言ったら私の頭をひと撫でしてそのまま頬に手を添えてきた。
「俺もっ…好きだ」
「んうんっ…あ、…ああ、やあ…っ、」
そのままキスを少し繰り返して、がつがつと腰を打ち込んできた。
その激しさに耐えれるはずも無く、私は腰に添えてある手を必死に押し退こうとする。一旦止めてもらえないと、何か恐ろしい事になってしまいそうだったからだ。
「スレ、く…やらっ…これ以上だめ…」
「もう少しっだよ、ふぁーすとっ」
「駄目…やだ…っ!」
グイっと前のめりになった彼は私の耳元でささやいて来た。
「ふぁーすとっ…嫌とかじゃなくてっ、…もっとって言って、みて…っ」
「も、…と…っもっとスレイ君っ…」
「そう、素直に、なっ…」
がっしりと私の腰を持ち直してさっきよりも激しさが増して肌と肌がぶつかって音を立てる。
「や、…あああ、クる…!何かクるのお…っんあ、やあああっ…」
さっきと同じように快感の波が押し寄せてきて頭が真っ白になった。暫く彼は動いて気が済んだのか、横になりながら私を抱きしめた。
一気に静かになった家の中には、彼の荒い息遣いと外の雨の音。彼をそっと見てみると、にっこりと微笑んで見つめてくる彼が居てくれた。
「ああ、ふぁーすとも旅に連れて行きたい…」
「えっと…」
「(トントントン)おはよー、スレイを預かりに来たよー。…?おーい開けてくんなーい?」
「ロゼさんだよ」
「うう、行きたくない…」
20150308
リクエストありがとうございました!遅くなりましたが。久々の裏夢にキーボードを打つ指が何度も止まり、どうしようか、このシチュがいいかな、この流れがいいかなと考えているうちに約1週間(笑)
けど、うちのスレイ君、結構やらかしちゃった感が否めないです←
喜んでもらえると光栄です!
またよろしくお願いしますね。ありがとうございました。
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