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とみい様へ 25000hit





ことの始まりが、




「うわっ」

「ははっ。お前本当ドジだよな」

「〜〜〜ふんっ」

「あっ、おい、」




土派手に転んだあだなor愛称を笑ったときに始まった。

それからというもの、あだなor愛称はとことんオレを空気にしようとしてやがる。・・・・いーや、しようとしてるじゃなくて完璧にしてやがる。





「おーい、あだなor愛称。さっきの戦闘でグミいくつ使ったか覚えてるか?」

「・・・・」

「お、おいあだなor愛称」

「あ、エステルー」




普通恋人のオレをこんな扱いするか?
これくらいならまだしも、オレが長椅子に座ってるあだなor愛称の隣に腰掛ければあだなor愛称のやつ、・・・・避けるように一人分のスペースを空けてきた。





「と言うわけだ」

「それを私に言ってどうするのかしら」

「どうすりゃいいと思う」

「あら、貴方らしくないわね。自分の行動を誰かに助言してもらおうだなんて」





ジュディのせりふに半分言い返せなくて、コップに入ったアイスティを眺めながら頼んでるクレープを待っていた。





「だいたい、貴方はあの子を弄り過ぎじゃないかしら」

「それは可愛いあいつが悪いんだよ」

「あら、野暮なことを言ってしまったみたいね」




アイスティを小さくすするジュディの笑顔が少し怖い気がするが、放っておこう。

漸く店の店員がクレープを持ってきてくれた。




「ほら、来たわよクレープ」

「ああ、いただきま、」

「あれ、ジュディス」




まさかと思って振り向けば一直線にジュディを見ているあだなor愛称。オレ達のテーブルに近づいてきた。





「お茶してたの?」

「ええ、ユーリとね」

「ユーリ?あ、このクレープ誰のかなー?」

「おいっ、それはオレの、」

「ジュディスのじゃないなら頂くね」




オレの手からクレープを取り上げて自分の口に運ぶあだなor愛称の顔は、一丁前な悪党の顔顔付きをしてやがる。明らかに確信犯だ。嫌がらせだ。





「それじゃジュディス、あんまり遅くなると明日が辛いから早く宿屋に戻りなよ?」

「ふふ、わかったわ」




颯爽と店から出ていったあだなor愛称を眺めてオレは滅茶苦茶泣きたくなった。





「なあ、これを、いじめって言うんだよな」

「今までの恨みを一気に爆発させたようね、あの子」




笑い事じゃないんだよジュディ。
オレにとっては大問題なんだよ。





「これじゃ他の男性の所へ行かれても文句言えないんじゃないかしら?」

「はあ?旅してる内はないだろ」

「あら。知らない男性とは限らないものよ?おじ様かもしれないし、もしくは、騎士団長候補のフレン・・・・、かもしれないわね」




ぞっとした。フレン、・・・・あいつはここ最近急激にあだなor愛称と仲良くなった気がする。

だからジュディの話はシャレにならない訳で。
くそ、オレはどうすりゃいい。腐れ縁の幼なじみに恋人を略奪されていいのか。

よくないに決まってんだろ。





「酒だ・・・・」

「ユーリ?」

「あの、悪いんだけど酒を持ってきてくんないか?強いやつ」

「御注文承りました」

「ちょっとユーリ。なにを考えているの?」

「飲む」




その後、飲みまくった。強くない酒に飲まれたオレは宿屋までジュディに手を貸してもらうと廊下からは一人でふらふらと自分の部屋に向かった。

ふとその途中の部屋の前で立ち止まって少し眺めてからその扉をノックする。





「だれ?」

「オレだ、」

「・・何のようよ」

「開けろよ、ここ」

「ふん、知らないもん」




もうどうにでもなれと言わんばかりに思い切りドアノブを捻ると予想外なことに開いていて扉の向こう、目の前にはあだなor愛称が立っていた。
フラフラな俺はあだなor愛称にそのままもたれ掛かる。





「ちょっと」

「オレの名前忘れたのかよ」

「・・、重いよ、ユーリ」

「ふはっ、やっと」

「どうせジュディスに自棄酒を付き合ってもらったんでしょ」




お酒臭い、とか言いながらオレに肩を貸しながら、ベッドに寝かせられた。
寝返りを打って横を向けばあだなor愛称は笑顔で座ってオレを見下ろしてる。

もう、なんて言えばいいんだか。

そのままあだなor愛称の腰に抱きつけば、戸惑いがちにオレの頭を撫でてきた。





「悪かったよ」

「え、」



あだなor愛称の膝に顔を埋めながらくぐもった声を出した。





「反省したからいつも通りに戻ってくれよ」

「んー、どうしよっかなー」

「それによ、フレンのところに行くな。オレがいるだろ」

「何でフレンなの」

「お前をとられるかと思った」

「もう、酔っぱらいめー」





久しぶりにこいつの笑った声を間近に感じた気がする。オレ、もうこいつを怒らせたくねーな。

だってよ、ほんの少し



寂しかった、
なんてな


「いったぁ・・」
「転んだところも可愛いぜ?あだなor愛称」
「ユーリってば、もう」

「なんだかあの二人」
「仲直りしたのは良いけどバカっぽいわ」
「こっちが余計にやりづらくなってしまったわね」

「愛してんぜ、あだなor愛称」





20130502

遅くなってしまいました。ごめんなさい>_<
ユーリって意外と甘えてきそうだな、と考えながら書いたつもりだったんですが、・・・・これはどんなユーリですかね?←
ですけど全力で甘くしましたっ!
私なりにですが。
またいらしてくださいね。
ありがとうございました。







あきゅろす。
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