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とみい様へ 25000hit






「ジェイが変ですって?」

「そうだキュ」




いきなり何かと思えばお隣の嫌味なジェイ君の様子が変だとか伝えに来たピッポ。あの常識人以上に常識人の人が変になる時ってとんでもないんじゃないのか、なんて悪態をつく前に不安そうなピッポに目線を合わせるように屈んだ。




「一応聞いておこうか。どういう風に変?」

「白が赤くて荒いんだキュ」




ピッポのいまいち(いや、だいぶ)解らない説明では解釈の仕様がない。

白が赤くて、荒い・・・・って。ふと思ったことは、ジェイの肌は白かったなーと意味もなく考えた。

肌が白い・・それが赤い・・・・更には荒、・・・・あ、。




「・・まずい」










急いで家を出てジェイの家にピッポに入れてもらい、階段を急ぎ足で上がった。

ジェイの部屋を見回すとベッドが盛り上がってるあたり、布団にくるまってるんだろう。




「ジェイ、起きてる?」

「・・・・・」



完璧に寝込んでるな。仕方なくピッポ達に水の入った桶とタオルを用意してもらった。

ジェイにまた呼び掛けても反応を見せない。少し揺すると布団がずれて顔を覗かせた。それはピッポの言葉通り白が赤くて荒い、だ。

肌は熱からか熱ってて、息は荒い。スゴく辛そう。




「ジェイ、ちゃんと真っ直ぐ仰向けになれる?」

「・・う、」

「そうそう、お利口さんですねー」




あははー、子供扱いしちゃった。なんて考えながらちゃんと上を向いた頭に濡れたタオルを乗せてあげる。首元の汗を拭いてあげて触れてみると、だいぶ熱い。

こんなになるまで仕事してたのかな、ジェイってば。それはそれで問題だし何より心配だ。




「ふぁーすと・・」

「ん?」

「あ、の・・・・、」

「どうかした?お腹空いた?」



よく聞こえなくて耳を彼の口許に近づけた。




「ぼくの隣に・・居てください」

「っ、・・・・」



小さくボソッと言った彼の言葉はとても弱々しくて、放っておけなくなるほど愛しく感じた。

思わずジェイの手を握ればやんわりと握り返してくれた。




「大丈夫。今日はここに泊まるよ」

「隣に、・・」

「うん。泊まるから離れないよ」

「ずっと、ずっと先も一緒に」

「・・・・らしくないじゃない」




ほんと、いつもみたいに私を罵って嘲笑えばいいのに。・・なんて、私がそういう属性って訳じゃないけど調子狂うな。

今思えば、。





「ジェイとも付き合い長いよね」



隣人って意味で。それ以上の事はなかったし、勿論恋愛対象になんてお互いを見てなかった。・・・・筈なんだけどな。

彼は違ったって事かな?
だとしたらいつから?

隠密を得意とする彼には無駄な疑問か。




「ずっと一緒に、か」



ねえ、ジェイ・・。




「それってどういう意味?」



頭を撫でれば落ち着いた顔でぐっすり寝てるジェイの手から自分の手をゆっくり離す。




「お粥作ってくるから待ってて」


そっと部屋を出た途端顔が急に熱くなるのがわかる。





「ふぁーすと、どうしたんだキュ?真っ赤だキュ」

「うっさい。お粥作るの手伝って」

「そう言うと思って作っておいたキュ」




ずいっと自慢気に出されたお粥を苦笑いでトレイごと受け取ってあげれば階段を降りていくピッポ。

再びジェイの傍に腰掛け、優しく揺すって起こした。





「ジェイ、お粥だよ」

「ん、・・」




むくりと起き上がるジェイに手を貸してやる。




「すみません」

「謝んないでよ。はい、あーん」

「・・は?」

「食べさせてあげる」


お粥を一口分掬ってジェイの口許に持っていくと、彼は少し照れ臭そうに口を開けて構えた。

意外と素直だな、とクスクス笑いながら口の中へと運べば、少し熱かったのかジェイは眉間に皺を寄せながら涙目になった。





「熱かった?」

「別に平気です」

「・・・・あっそ」

「ふがっ!〜〜っいきなり入れるなんて熱いじゃないですかっ」

「だって可愛げ無かったもん」



今度は息を吹き掛けて冷ましながら口に運ぶ。





「あ、ホタテが・・」

「まあピッポが作ったから入ってても可笑しくないよね」

「なんだ・・・」




あのピッポが作ったお粥に不満があるのか肩を落とすジェイ。ピッポ達の事を一番好きなら喜ぶんじゃないのか、普通なら。





「ふぁーすとじゃなかったんですね」

「へ?」

「お粥作ったの」




それががっかりの原因?・・今日のジェイはホントに変だ。これじゃまるで本当にジェイが私を好きみたいじゃないっ・・。

いや、考えすぎかな。





「あのージェイ?お訊ねしたいことが」

「はい」

「寝込んでる時に私に言った事覚えてる?それってどういう、」

「ゴホゴホ、・・。あれはですね」



咳き込んだあとで私に顔を寄せてそして、





「・・・・」
「・・・・」




そっと唇が合わさった。

ゆっくりと唇を離して私の額に自分の額をピタッと合わせて目を至近距離で見つめ合った。




「ぼくが貴女を想ってるってこと」






憎めないやつ。

「ちょっとジェイ、少し離れてよ」
「良いじゃないですか。恋人だし」
「あの日からベタベタし過ぎだよ」
「・・、そう言えばふぁーすとから聞いてないですね。気持ちを」
「それは、」
「適当な流れで付き合ったとか?」
「酷い、好きだから付き合ったの!」
「はい、もう一度」
「・・好きです」





20130423

遅くなってごめんなさいっ。看病ネタが凄く下手くそだと改めて実感しました(笑)
25000hitおめでとう御座います!もう1つのユーリ夢すぐに準備致しますねっ。
リクありがとうございました!






あきゅろす。
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