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まい・でぃあー 18










「これで、終わりですっ!」

「っ!…ど、して」





長い戦闘をしてたフィっちんがうつ伏せに倒れこんだ。ジェージェーが止めをさしたんだ。あたしらもボロボロでクーとかセネセネも座り込んでた。、フィっちんは必死に両腕に力入れて体を起こそうとしても何度も力が抜けたみたいに倒れてる。
漠然と終わった、って気が抜けてへなへな座り込んじゃった。だってこんなに体力使うなんて思わなかったし、…。





「そーいやあだな、」



縛られたまま壁に凭れて動揺したような目で今の状況を必死にのみこもうとしてるみたいで、ジェージェーを遠慮がちにチラチラ見てるのがよくわかる。やっぱり恋ってスゲーわ。

ジェージェーがあだなの傍に駆け寄って縄を解いてあげたら、あだなは黙ったまま今度は顔を背けた。





「ふぁーすとさん、…怖い思いをさせてしまってごめ、」

「ねぇっ…ふぁーすと、さん。貴女のお父さんはあのっ…ソロンで…しょうっ?」



ジェージェーの言葉を遮ったのは紛れもないフィっちんだ。うつ伏せのまま顔だけジェージェー達に向けて、なんていうか…いまだに強気な顔してる。




「え…」

「この人達に、ジェイさんにっ、殺されたんでしょう?憎くな、いの?」

「…それ、は」

「私達一緒、よ?…大事な家族を…こいつに殺された!!」

「!!」





やばい…やばいっ、このままじゃあたしの勘が当たる気がする。だってあだなはフィっちんの言葉に揺らいでるのが一目で解かるもん。





「今がチャンスよ?ふぁーすとさんっ」

「ジェイが…殺した…」

「ふぁーすと…さん。ぼくは、」




その次の瞬間、あだなはポケットに手を突っ込んだ。

…苦無が入ったポケットに。震える両手でソレを握っては鋭く尖った先をジェージェーに向けた。そしてゆっくりと立ち上がる。




「ふぁーすとさん、…」

「ジェイが…私の父様をっ」

「…そうですね、。認めます。刺したければ刺せば良い」

「…っ」



涙でぐちゃぐちゃな顔であだなは震えたまま動かない。きっとあだなはジェージェーを刺せやしない。それはあたしら誰しもが思ったことだった。けどジェージェーに関しては解からない。賭けに出たのかもしれない。ジェージェーが責任を感じて刺されても良いと思ってるのかも知んないけど。




「どうしたの?…ふぁーすとさん…できない?、なら」

「!!、ジェージェー!」

「私が二人とも殺してあげる!」




最後の体力を使って立ち上がったんだと思うフィっちんは凄いスピードでどこから取ったのか長く細い剣をジェージェーに突き刺そうとした、時だった。






「!、ジェイ!」




それに真っ先に動いたのは、…あだなだった。ジェージェーを庇ってその剣はあだなの体を凄い勢いで貫通した。




「あだな…?」

「ふぁーすとさん!!!」

「うふ…うはははは!!!!これで良いのよ!これ、でっ…」




床に崩れそうな刺されたあだなをジェージェーが受け止める。フィっちんは力尽きてバタンと倒れて微動だにしない。死んだのかもしれない。憎かったはずのロンロンと同じ所で。

あたしとウィルっちで慌てて駆け寄って治癒術をあだなにかける。




「ふぁーすとさんっ、ふぁーすとさん!」

「…ジェ、イ…。怪我ない?」

「何してるんですか!…馬鹿なんですか…!」

「…やっぱり、ジェイが怪我したり……この世界から居なくなっちゃうの……嫌だなって…おも………て…―」






そこであだなは動かなくなった。









20140206













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