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やっぱり









ルドガーって単純な気がする。
昔ノヴァからの勘違いな贈り物で舞い上がっては告白してたし。
振られて終わったんだけど。他にも色々・・、取り敢えず単純だ。





「ねー、ルドガー。変わりたい」

「?、化粧すれば変わるんじゃないのか?」



この人、そんな単純な。
ムスっとしながらクッションを抱える。もうバカなんじゃないか。
そもそも化粧をすればって発言は遠回しに女としての魅力が足りないとでも言いたいのか。





「ほら、皆と食べなくて良いのか?」

「食欲無いからいい」



するとルドガーは閃いたように、ああ、と言えばニヤリと笑う。






「解ったぞ」

「何がよ」

「ダイエットしてるんだろ。太ったか知らないけど別に見た目は変わら、・・な・・・・」

「ルードーガーくーん?」




本当に単純な人。なので一発叩いときました。背中に平手を。
あまりの痛さに声にならない声で悶絶してしゃがみこんでいる彼を置いて皆のところへ行こうとしたら、腕を掴まれた。




「もう痛くないの?」

「なんとかな」

「ざーんねん」



しゃがんでいる彼を見下ろしながら言ってみた。
ものの、それほど残念て訳でもない。実は尋常じゃないほど痛がってたルドガーを見て、寧ろやり過ぎたかもと心配してた。

けど素直になるのも何だか癪だから絶対に言わないし悟らせない。




「離してよ」

「ヤだ」



子供みたいに言ったかと思えば私は腕を引っ張られてルドガーの上に倒れ込む。




「・・満足?」

「もうちょっと、な」



彼は時たま急にこうやって私を抱き締める。無言で、長々と(いつもは床の上で横にならないけどね)。




「で、変わりたいって何なんだ?」

「言わなーい」

「ふーん?」

「っ!ちょっ、やだ、」



どこ触ってんのよっ、と身を捩るけどルドガーはただ笑うだけでお尻を触るのを止めない。





「もうっダメだってば」

「本当に言わないのか?ん〜?」

「ちょっ、やらし過ぎ!」

「俺にも言えないことか」

「落ち込まないでよ。ただ話す程の事じゃないんだもの」




漸く触るのを止めて、強く抱き締めてきた。そしてまた沈黙。
彼はもしかしたら私が言わないから、自分を責めてるのかも知れない。

彼の上で、横を向いて彼の胸に耳を押し当てる形でそんな事を考えていた。




「ルドガー」

「・・何だ?」



沈黙を破れば彼の体から彼の声が直接私の耳に響いてくる。

それが凄く心地良い。




「私、変わるから」

「・・そうか」

「うん、ちょっとでも素直になれるようになって、」




貴方にちゃんと愛される様に。
時々不安になるの。今日みたいに。

・・・・、今日みたいに?
そう言えばルドガーが私を黙って長い時間抱き締める時は、決まって私が不安な時だ。

もしかしてルドガー、貴方はその時その時で気がついてくれてたの?
だとすると、もう既に相当愛されてるんじゃ。

そう思った矢先、彼はもっと強く抱き締めてくる。





「んー、もう少しなんだよ」

「何がよ」

「今ふぁーすとで充電中なんだけど、中々満タンにならないんだ」


初耳だぞ、と心の内で突っ込んだけど面倒だし、口にはしなかった。
それに、・・・・何だか愛されてる感じで嫌じゃないし。





「どうすれば充電は完了するの?」

「ん?こうやって」

「こう?・・・・んっ」

「・・・・、キスをして完了」



ああもう、やっぱり、




単純だ。

「ありがとう、ルドガー」
「んー?」
「嫌って程愛されてるの、解った」
「嫌なのか?」
「嫌な程大好き・・」






20121117

ルドガーって、こんな感じ?←
私の理想を叩きつけてみました。もっとルドガーというキャラを吟味しながら書いていきたいものです。





あきゅろす。
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