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かいめい












「オレはあだなの事嫌いじゃあねーけどな」

「へ?」

「寧ろ・・、その」




そんなグダグダな彼の告白をきっかけに恋人と言う間柄になったわけだが。






「なぁあだな」

「なぁに?」

「目隠しとか燃えると思わねーか?」




いったい何を言い出しているんだこの男は。

ユーリと付き合ってからというもの、私の中の彼の印象が大分変わった気がするのは気のせいだろうか。

彼は、ふざけてもこんなハッキリと爆弾発言・・ううん、これはまだ可愛いもんだけど、言う人だとは思ってなかった。

まあ百歩譲ってその類いの発言をするのは良いとしても彼のは、





「今日のあだなの体は良いな。特に下半身が」



もうセクハラの域なのだ。

貴方には私の体を一日一日測る測定器でも内蔵されてるのか。






「ユーリ、そんな事より」

「そんな事、だと?オレにとっては生死を決める事だっ」

「もうバカ言ってないでみんなが戻るまでに夕飯作らないとっ」

「あ、・・そうだったな」



皆は知ってるのだろうか。

いや、知らないだろう。もし知ったらショックで失神する人も出てきそうだし。・・カロルとか、またはエステルとか。


夕飯を作ろうと適当に材料を取り出してユーリに問いかけた。






「今のところこれだけあるけど、何食べたい気分?」

「あだな食べたい気分」

「違うでしょっ」

「あだなを半裸にして手の自由奪って目隠し、ってな感じのメニューで」

「・・・・・・・」




もうここまで来てしまうと私でも手におえない領域でしょう。

彼は私の体だけが目的、って訳でもなく、ちゃんと言葉や普段の行動に愛が現れてる。


けど、この類いのものは別だ。
愛とは関係なくただの変態になってしまう。あんなにカッコいい彼が、この類いになるとまるで人が変わったかのようになる。

それも平然と、普段と変わらない声のトーンで急に話し出す。





「もうみんな来るからさ、」

「あだな」

「・・、なに」

「お前はオレのために」

「うん」




なんだろう。先程よりも真剣な顔で口を開くものだから私も真面目に彼の目を見て話を聞く。





「女王様になれるか?」

「・・・ねえ、それって」

「夜の事だよ。まだ試してなかったなって」




彼は本能なのか、それとも恋人が出来てそういう事に興味津々なのか悪意を全く感じない上、とても純粋な目をしてる。






「今日は牛丼でいいね」




ユーリを無視してビーフを切っていく。もう付き合ってられないのだ。無視すればいつもの事ながらユーリは、うーん・・と考え込む。


いったい何をそんなに?

問わなくても充分に伝わる。

彼に背を向けて料理をしても嫌でも感じる、彼の熱い熱い視線を。


早く誰か戻ってきてはくれないだろうか。

私達が付き合ってから甘く初々しい二人の時間を増やそうとしてるのか皆は変に戻ってくるのが遅かったりする。
今回もそうだろう。


気を使ってくれるのは有難い。もうそれは本当に有難いよ?


でも実際は、うん、いつも始めは甘い。けど、途中から突然変態になるのだからそれまでには戻ってきてほしいものだ。

本当の彼を知ったら皆は同じように接するだろうか。

少なからずフレンは、残るか早く戻ってくるかすると思う。

まだ夜も更けてないのにあだなが危険だ≠ニ。





「あだな、受けなオレはアリか?」

「まだ続いてたんだ・・」

「なあ、あだなからも何か提案しろよ」

「・・・・ひとつあるとすると」

「ああ」




改名すれば?
"エ"ローウェルに

「はあ!?」
「ピッタリよ、うん」
「オレが変態みたいじゃねーかっ」
「否定できないと思うけど。レイヴンより質悪いし」






20120913

変態エローウェルさん登場
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あきゅろす。
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