第三者の苦悩
レイア視点
※キャラ崩壊気味
「バカっ!アルヴィンなんか嫌いよ!」
ある日の出来事。
旅も一段落して久しぶりに皆で会おうと決めてた日に、集まったのは私とふぁーすととアルヴィン君の三人だけだった。ジュードとローエンは忙しいとか、エリーゼは学校だとかで来れなかったみたいで。
三人でも充分に楽しめたんだけど、私が少し買い物をしている間にあの隠れバカップル(隠しきれてないけど)が言い合いをしてしまったらしく、私が部屋に戻ろうとした瞬間、部屋からふぁーすとが泣きながら出ていって私を横切ってった。
「ふぁーすとっ?・・・、」
アルヴィンだな・・。
私の頭の中は簡単にアルヴィンを犯人だと位置付ける方式が出来上がってた。
我ながらなんて失れ・・じゃなくて正直で素直な頭なんだろう。
部屋に入るとベッドに腰掛け頭を抱える二十六・・・のオジサマへの道を歩んでるオニイサンが視界に飛び込む。
それはもう何ともシュールで、絵面的に見てらんないよ。
「えーとアルヴィン君、ふぁーすとに何したの?」
そんな死んだ顔で見ないで欲しいな。会話しづらいから。
すると聞こえるか聞こえないかの声でぽつりぽつりと言葉を溢してくれた。
「商売のつもりで」
「うん」
「ここの宿屋の客の女に」
「う、ん」
「あんたの人生、俺に預けてみない?・・って」
「・・・う、ん」
「言ってるのをふぁーすとが間隣で見て、怒り出した・・何でだ・・」
「・・・・、。」
本気で言ってるのかな?この良い年した旦那はさ。
そりゃふぁーすとが可哀想だよ。
「ふぁーすとも怒るよ」
「?!何でだよっ」
「愛ゆえに怒るよ」
「だからなんでっ」
「アルヴィン君、それはもう口説きを通り越してプロポーズしてるように聞こえるよ」
私の言葉に硬直してるアルヴィン。あ、アルヴィン君の辺りだけモノクロに見える、不思議だ。
「そんな言葉を他の女の人に言ってる彼氏を見たらそりゃあふぁーすとは怒るよ」
「そうなのかっ?そう聞こえるもんなのか?!」
純粋に思ったこと。
この人本当のおバカさんかもしれない・・、いや、間抜け・・・は言い過ぎかな。
天然でおさめとこ。
「アルヴィン君、ふぁーすとと仲直りしてよね!夜遊ぼうと思ってせっかくトランプとかお菓子とかグミとか買ってきたのに楽しめないじゃん!」
「グミはお菓子じゃないのか?」
「細かい事はいーのー!さっさと連れてきて!」
アルヴィンの背中をグイグイ押して部屋から出した。ため息混じりで扉を閉めて三つ並んでるベッドの一つに飛び込む。
アルヴィン君ってバカだよ、ほんと。
「ふぁーすと、・・仲直りしてくれないかもね」
「アルヴィーン、これここじゃない?」
「お、流石ふぁーすとっ」
「えへへー。アルヴィンへの愛の力で記憶力が上がるんだー」
「にくい奴め〜、このこの〜」
「やーんっ、アルヴィンったらー」
心配した私が一番の大バカだったよ。
今更だけどこのバカップルに危機が来たってものの数分で結局はこうなるんだ。
トランプで遊んでる筈なのに、遊んでる気もしないし、楽しいと言えない状況。私がいるの忘れてるんじゃないかってくらい目の前の二人は二人の世界まっしぐら。
「もー、トランプやめてお菓子食べる」
「あ、レイア。私にもひとつ」
「うん、はい」
私がふぁーすとに渡したお菓子の行方は、
「はい、アルヴィン。あーん」
「あーん」
気持ち悪いとしか言えないアルヴィン君、の口の中。
もう、なんていうか・・・
勘弁してください。
「こんな事ならジュード達にも来て欲しかったよ・・・・」
「アルヴィン、はいジュース」
「口移しでやってく、」
「もういやーっ!!」
20120905
アルヴィンがぶっ壊れました←
レイアは苦労人です、
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