ばけ×ばか
3
目の前の不審者が、はあはあと興奮気味(もしくはマシンガントークのせい)な呼吸をしながらも、きょとんとしたのを雰囲気で感じとった。
「俺は男だ。…この学校は創立から少なくとも三十年くらいは経っている。そして男女共学校になったのは一昨年だ。十数年前俺はすでに存在しているから生まれ変わりではないし、この流れでいくとミツ子さんとやらは男になっちまうぞ。そしてココは教室棟じゃなく文化棟。」
頑張って息継ぎをせず言ってみたが、俺にはこれが限界だった。
「…で、佐倉は何故、どうやってここにきたわけ?」
もう一つの聞きたいことだった。
正直、不気味でしょうがない。
鍵を掛け忘れたなんてことは多分無い。
そして今は授業中だ。
なのにこのタイミング。
「…そっか……。」
下を向いてぶつぶつ言っている。
答えがわからず気持ち悪い。
気持ち悪いと感じる理由はそれだけじゃないかもしれないが。
「…おい?」
控えめに声をかけると、佐倉は勢いよく顔を上げた。
「じゃあお前は誰なんだ!!」
えぇ―……。
ほんなん俺が聞きたいわ。
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