ばけ×ばか
謎めくみっちゃん
あの後、どうやって入ってきたか聞いてみたんだが、ニコニコ笑うだけで答えを聞くことは出来なかった。
とりあえず授業に出るため、調査をしに行くらしい佐倉と別れて、一人で教室に戻ってきた。
「あ、ミカゲくんおはよ―」
爽やかな朝の挨拶をする彼女は望月都という。ちなみに今は2限前の休み時間。
「おはよ。今日も元気だね。」
「そ―でもないよ!鞄があるのに誰かさんはいなくて、心配してたんだから。」
ちなみに彼女は誰にでも優しい。断じて俺だけを気にしているのではない。
ここは工業高校だからか共学になったのが最近だからか、女子が物凄く少なく。
科にもよるが、この科には女子が一人しかいない。彼女がクラス唯一の女子。
(それだけが原因ではないが、)だから彼女はかなりモテまくっている。
「ありがとね―、お菓子あげるよ」
「わあい!ありがとっ」
お菓子に喜びコロっと表情を変える無邪気さも、人気の理由だろうか。
あ、俺は別に友達としか思ってないぞ。
軽い足取りでごみ箱へ向かい、外の箱を捨てに行った。あげたのはTOPPO。
「あたしTOPPO好きだあ!今気付いた」
笑顔で言った彼女に、いくつもの視線が向けられたのを感じた。コイツらきっと明日TOPPO持ってくるな。ぱくぱく美味しそうに食べる彼女をぼんやり眺める。
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