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もう一つのプライベートルームは、当然だけどさっきの部屋と同じ造りだった。

こちらも天井と壁紙は白く、シンプルな机とベッドが置いてある。

俺は机を暫く眺めると、荷物の整理を始めた。








俺が荷物の整理を終えてリビングでコーヒーを飲んで寛いでいると、やっと目覚めたらしい彼がリビングに現れた。

俺をぼーっと見つめている。


「あ、目ぇ覚めた?俺は今日からこの部屋に住む小柳なんだけど…同室の西條湊(さいじょうみなと)…君?だよね?」

「…あぁ」


西條は尚もじっと俺を眺めている。

寝起きとはいえ整った顔に凝視されるというのは、平凡な俺には少々つらいものがある…。


「…えっと、俺の顔、何か付いてる?」

「…いや、これから3年間、よろしくな」


ちょ、えぇえ!?
何そのめちゃくちゃ爽やかな笑顔…!!

今コイツ明らかに何かのスイッチ入ったぞ…!
だってさっきの仏頂面から急に花が咲いたもん!

西條は恐ろしいくらい爽やかな笑顔で手を差し出してきた。


俺はその笑顔から目を逸らせなくなったまま握手をした。


「…よろしく」

「ところで、もう荷物の整理とか終わったの?優雅にコーヒーとか飲んでたけど」

優雅にって。

「あぁ、うん。俺荷物少ないし」

「そうか、じゃあ俺の荷物の整理手伝ってくれないか?全然捗らなくてさ」

「うん、別にいいよ」


西條の部屋についていくと、そこはもので溢れ返っていた。

知らない人が見たら、確実に空き巣か何かに荒らされたって思うだろうな…。

しかし俺は空き巣なんぞ見てないし、俺が間違えてこの部屋に入った時は綺麗だったから、確実に西條がこれをやったんだろう。

どんだけ片付け出来ないんだよ…と軽く引いてると、西條に服の整理を任された。

まぁ確かにプライベートルームのクローゼットは小さめだと俺も思ったけど…西條もそんなに服多い訳じゃないから普通に入ると思うんだけど。

てかカッコイイ服が多い。
やっぱイケメンは服のセンスとかもいいんだな。
この服を着た西條を想像すると、めちゃくちゃカッコイイもん。
いや、何でも着こなせるってことなのか。羨ましい…。

何て考えながら整理してたら、すぐ片付いた。
やっぱりそんなに服は多くなかったので、すっきり収まった。

まあ寮生活なんて制服か部屋着で過ごす事が多いんだろうし、こんなもんだと思うけど。


振り返ると、西條はまだ机周辺の片付けが出来ておらず、寧ろ荒らしまくっていた。

呆れと同時に、イケメンだけど不器用な事に親近感を持った俺は、ふっと笑いながら西條を助けてやった。




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