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ショート
変態ストーカー女→→→→→クール

いったい全体、あんな変態ストーカー女、どこで引っ掻けたんだか。


記憶にございません。



「せんぱいせーんぱーい!好きです!はうん!先輩の汗…うなじ…ふああああああ!」

廊下であいつとすれ違う度に意味不明な言葉を叫ばれるのにはもうなれた。

1日1、2回はすれ違うのに毎回こうでは嫌でもスルースキルが身に付くというものだ。
今や最早名にもなかったかのようにすれ違うことができる。


「つめてぇなーしぇーんぱーい!あいつもあきねぇな」
俺のダチが面白がってあいつの真似をする。
一回俺の身にもなってみろ!


「あいつマジきめぇんだって。」



登校時

「せんぱい!奇遇ですね!!おはようございます大好きです!」

「毎日偶然なわけねぇだろふざけんなストーカー女」

「それは…!必然というわけですね!私と先輩は運命の赤い糸で結ばれている…と!?いやーん先輩のロマンチスト!イケメン!い・ろ・お・と・こ!ますます惚れなお…」

スタスタスタスタ

「ちょっとまってくださいよ!先輩足長いんですから速いですって!」

「近づくな話しかけるなこっちみんな」





昼休み

ガラガラガラ
「せんぱい!今日のおやつはチョコレートマフィンです!食べてください!!ついでに私もなーんて!きゃ!いっちゃった!」

「かなちゃんてばだいたーん」

「帰れ」

「桐山先輩もどうぞー」

「まじで!うまそう!サンキュー」
「お前も何ちゃっかりもらってんだ!」

「何?恭弥くん嫉妬?」

「心配しないでください!私は先輩一筋3千里です!」

「あーもー!しね!」




帰宅時


「先輩危ない!」

何事かと見ればスポンジでできたふわふわボールがこちらへ飛んできて、同時にストーカーが走ってきて俺を庇うようにボールに当たる。


「ぐはっうっ…私に構わず逃げて…」
「はぁ。」

スタスタスタスタ



「待ってくださいエンディングがまだです!」

「知らねーよ」

「…聞いてください。水谷夏奈の『先輩は恋の怪盗ラブゲッチュ!』」ジャーン

スタスタスタスタ







「な!?うざいだろ?なんなのあいつギャグ?キャラ作り?ネタ?まじ迷惑!」

「まぁ確かに疲れてるときにあのテンションはダルいな。つーか他人事だから面白いんだけど」

「なんだとこら」



ガラガラガラ

「せーんぱい!今日のおやつは…」


「帰れ」





誰かこいつを止めてくれ。

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