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強化月間(山ヒバ(+獄ツナ))

※多大なキャラ壊れ注意。


ツナ視点



「雲雀ー!おはよ」
「やぁ。おはよう山本」

ちゅっ。

ん?
なんか今おかしなものを見た気がする。
雲雀さんが朝の持ち物点検のために校門に立ってるのはよくあることで。
山本が雲雀さんの元に駆け寄って挨拶するのもよくあることで。
この、全校生徒公認の異色カップルの熱々ぶりは見慣れている。
でも他の生徒の前でキスするのは初めて見たぞ。
二人を見てみれば何事もなかったように話し続けてる。
何があったんだろうこの人達。
すごく突っ込みたいよ。
え?何、獄寺くん。
…いや、しないよ俺達は。
いやいや無理だって。
山本と雲雀さんだからみんな見て見ぬフリしてくれるんだよ。
ちょっ!来ないでー!



「あれ、雲雀!何してんだ?」
「昼の見回りだよ。…そのパン美味しそうだね」
「食べるか?」
「いいの?」

ちゅっ。

「ほら半分!」
「…ん、なかなか美味しいね」

いつもの三人で屋上にお弁当を食べに行く時、廊下で見回り中の雲雀さんに会った。
雲雀さんは俺達が群れてるのを見て不快そうに眉を寄せたけど、山本にパンをもらって機嫌を直したみたいだ。
山本は自分の持ってたパンを言われるままに一口ずつ雲雀さんに味見させている。
なんだか餌付けしてるみたい。
そんなことより、さ。
今のはもう見なかったふりなんてできないよね。
明らかにキスしたよね。
あぁ、すごく気になる。
なんで今日はこうゆう感じなのかすごく気になる!
山本はともかくあの雲雀さんまで公然とキスをするなんてかなり異常だ。
全く怒らないどころか笑顔で山本と話してる雲雀さんがすごく怖い。
…我慢だよ獄寺くん。
わかるよ、そのなんだかとってももやもやする気持ち。
でも校内でダイナマイトはまずいって。
え?いやいやだから俺達はしないって。
ほら、早くしないとお昼終わっちゃう。
雲雀さんとご飯食べることにしたらしい山本を置いてまとわりついてくる獄寺くんと共に屋上に向かった。



「キャ―――――!!!!武頑張って――――!!!!」
「おぅ、ありがとな!…っあ!雲雀ー!雲雀ー!」
「………なんだい。僕今忙しいんだけど」
「うわ、誰だ?その引きずってるやつ!」
「君には関係ないよ」

ちゅっ。

「…もしかして雲雀、妬いてる?」
「………別に」
「っ、ホント雲雀可愛いっ!!」
「ちょっと!急に抱き付かないでよ」

…急にキスをするのはいいんですか?
二人のいちゃつきっぷりを見せ付けられた山本ファン達は悔しそうに地団駄を踏んでいる。
それを見て雲雀さんは満足そうに微笑んだ。
並中最強の風紀委員長は、今ではすっかり大半の女子の敵だった。
山本が付き合い始めた頃、ファンの女子達が雲雀さんに「山本を取らないでほしい」と抗議しに行って大騒ぎになったというのは有名な話。
そんなことより、さ。
もうそろそろ突っ込んでいいよねこれ。
突っ込んじゃっていいよねこれ。

ねぇ、山本。
なんで雲雀さんに会うたびにキスしてるわけ?

そう聞いたら、あっさりと『キス強化月間だから』と言われた。

雲雀さんはそれでいいんですか?

って聞いたら、あっさりと『うん、山本は僕のだって知らしめることができるからね』と言われた。
ははっ。
いいよ、獄寺くん。
ダイナマイト投げちゃって。

てゆうか強化月間ってことはこれ1ヶ月も続くのか!

山本と雲雀さんは全校生徒公認の異色カップルから、全校生徒公認の超バカップルへと変貌を遂げた。




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