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長谷川さん相手にやけに睨みをきかせて声まで凄んでる土方。

‥‥‥‥なんで?


「えぇー?真選組の副長さん??銀さんまたなにやらかしたんだよ。すっげえ追っかけて来たみたいじゃん」

「え?あ、あーなんだったかな。アレだったかな。それともアッチのことかなぁ」


ちょっとォォォ!
長谷川さん、ツッコミどころそこ?
俺、めっちゃ抱き込まれてんだけど!身動きとれないくらいなんだけど!!
つか土方、お前もナチュラルに「銀時」とか「返して」とか言ってんじゃねぇよ!
知られなくないのはお前のほうじゃないのかよ!!


「っつうことだからコイツは連れてくからな」

「ええ?」


有無を言わさずグイグイと俺の肩を抱き早足で歩いていく土方に、押されるように俺の足も動いていく。


「銀さーん、また今度一緒に飲もうなー」


手を振る長谷川さんに手を振り返すことも出来ず、チラリ視線だけ送った。

よかった、長谷川さんが鈍感で。
よかった、長谷川さんが酒入ってて。
じゃなきゃ、気付いてただろう?
俺達の関係。
や、俺はいいけどさ、コイツには体面ってものがあるからな。


「あ、あのー、土方くん?」


無言で歩き続ける土方に、恐る恐る声をかける。
なんかやけに威圧感、発してませんか?


「なんだ」

「隊服でこの体勢で歩くのはちょっと目立ちすぎるのではないかと思います‥‥」


それでなくとも男同士。酔っ払ってる風でもないのにくっついて歩いているのは目立ちすぎだ。ましてや、片方が真選組副長ともなれば好奇の目をひくことこの上ない。

周りをチラリと見渡し、チッと舌打ちをしてから今度は逃がさないとばかりに手を掴まれ、ビルの裏側へと続く道に引っ張っていかれた。
誰もいない場所へとくると、ようやくその腕が解かれる。


「どうしたんだよ一体。
何か変だよお前。だいたい今日は仕事だろ?こんなとこにいていいの?」

「‥‥‥えが」

「え?」

「お前が、あの野郎に肩組まれて歩いてるとこ見つけたんだよ!顔近すぎだ!俺が仕事だからって浮気しようとしてたんじゃねぇよなぁ」


や。
目がマジだから。
オイオイ、お前そんなことであんな息切らしてまで走って来てたわけ?
肩組んで歩いてただけで?

呆れながらもくすぐったいような嬉しさが胸に拡がる。


「んなわけねぇだろ。長谷川さんが競馬で勝って奢ってくれるっていうからさあ、飲みに行く途中だっただけだよ。俺は誰かさんが仕事になったせいで暇だったし?パチンコも負けちまってすっからかんだし?」


多少の嫌味を込めてやる。
だってさ、本当は楽しみにしてたんだぜ。
今年は休みが取れそうだって話聞いた時からな。


「それは‥‥‥まあ、悪ィと思ってる」

「だろ?」

「でもな、誰かと一緒になんかいんなよ。お前の姿見つけた時、なんかやたらムカついてな。仕事のことなんか忘れちまったつうの」


ギュッと抱きしめられそんなことを言われると俺のほうが熱くなる。


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